小松の空港で時間があったら、本の販売コーナーに行く。地元の本を手に取る。昭和53年の本が復刻されていて、頁をめくると40年近く前、ボクにとっては身近な時代の写真から、子供の頃の日本、それも地方都市での生活が浮き上がる。気持ちの中では、指呼の間なのだけど、もう消えてしまった時代の匂い、に溢れている。昭和どころか、平成も終わろうとしている、のだ。
それに加えて、ボクのように浮き草のように暮らす人間には見えない金沢、が描かれている。昔から積み重ねられた風習、それを繰り返しながら続く営み、そんな時代の連続性が破断した荒涼とした時間のなかで生きている、ことだけは分かった。それが好きなのだけど。