K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Ornette Coleman: Change Of The Century (1959) やっと少し楽しめた

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 これも最近入手した、安価なアトランティック盤なのだけど、スリーブなんかを見ると、1960年代はじめのプレス。殆どオリジナルに準ずる盤なのかもしれない。それが1000円前後とは、恐れ入った。音は自然な感じで、足しても、引いてもいないように思える。

 案外、オーネットは聴いていない。何か、彼の音のツボのようなものが掴めていないから、だと思う。捕らえどころが無い、ように感じていた。その意味では、即興音楽としての昂奮度が高い「ゴールデンサークル」のライヴあたりが、すっと入ってくるアルバムだった。

アメリカの空」を聴いて、はっと気がついたのは、オーネットの作曲能力。やっと、彼のツボが曲そのものが面白い、ということに気がついた。そして、アルトそのものの鳴りの美しさ。即興音楽家としての面白さはドルフィーなのだけど、作曲はオーネットか。だからFree jazzというジャンルの外枠を作ったヒト、なんだなと理解した。それから半世紀以上経ると、外枠は当たり前に消化され、曲が残った。まあ理解している方々には、当たり前の理解なんだろうな、と思うのだけど。「孤独な女」などを頂点に、数々のオーネットの曲を楽しむ、そんなスタンスで聴くと、フリー云々なんてどうでもいいかなあ、とリラックスして聴くことができるような気がする。やっと少し楽しめた。

追記:

その意味では、今となっては、ジミー・ジェフリーとかチコ・ハミルトンのような「室内楽的ジャズ」という視点とも交叉する部分があって、それが面白いとも、面白くないとも、感じる「受け手の揺れ」になっているように思った。即興と作曲の比率、のような観点で。面白いもので、ジェフリーが「ECMの原点」だと認知すると、それなりに聴けるようになった。何だかね、なんだけど。

Change Of The Century - The Complete Session + 5 Bonus Tracks

Change Of The Century - The Complete Session + 5 Bonus Tracks

 

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Ornette Coleman: Change Of The Century (1959, Atlantic)
A1. Ramblin' (Ornette Coleman) 6:34
A2. Free (Ornette Coleman) 6:20
A3. The Face Of The Bass (Ornette Coleman) 6:53
B1. Forerunner (Ornette Coleman) 5:13
B2. Bird Food (Ornette Coleman) 5:25
B3. Una Muy Bonita (Ornette Coleman) 5:51
B4. Change Of The Century (Ornette Coleman) 4:41
Ornette Coleman (as), Donald Cherry(tp), Charlie Haden(b), Billy Higgins(ds)
Recorded in NYC, October 8, 1959 (A3, B2 to B4) and October 9, 1959 (A1, A2, B3)

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