K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

河内という街

 中国という歴史的にも大きな存在を通じて、日本とヴェトナムはある種の対称性と非対称性を持っていて、その綾のようなものが面白いのだと思う。ヴェトナムを見ているようで、日本を考えていたりする。決して、昭和40年代の日本を見るようなノスタルジー、だけではないと思う。

 早くから、中国王朝の版図に入ったり、抜けたりしながら民族形成したヴェトナムの京族は、当然のことながら日本以上に漢字文化の中にあった。だからハノイはハ・ノイで、ハが河、ノイが内だとすると、薄っすらとした音韻の対応に1000年以上昔の漢字受容に思いが至る。

 河内の河は紅河。大河だからあり、その末端のデルタ地帯は穀倉地帯。先の大戦仏印当局を通じた日本軍の米の徴発が、大飢饉を招き、多くの餓死者を出している。日本軍の調査で40万人、現地では200万人だという。この地では、ヴィシー政権下にあった仏印当局と日本は戦闘状態にはなかったが(1945年の仏印接収まで)、それ故に忘れがちな事実ではなかろうか。ホーチミンのヴェトミンに加わった日本兵が多い、という事実で、先の大戦を美化する論調があるのは嘆かわしい。忘れてはならない、苦い苦い事実である。内向きの日本偉い、ではダメなのだ。(外向きの日本ダメも困るのだけど)

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紅河を渡る

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ホテルの窓の景色