K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Cecil Taylor: The Eighth (1981) ベースが与える強靱なグルーヴ感

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初期のセシル・テイラー聴きは、1962年のコペンハーゲンのライヴを聴いたところでかなり満足。晩年までのスタイルがそこで完成し、その美しさがシックリくるようになったから。長年感じていた違和感、のようなものがスッと消えた。

このアルバムは1981年の西独でのライヴ。録音が素晴らしく、テイラーのジャズ的現代音楽、というか、現代音楽的ジャズの音響を堪能できる。会場に響き渡るライオンズのアルトも速度感があり楽しい。ドラムは少し弱いが不満はない。

何よりもウィリアム・パーカーのベースが与える強靱なグルーヴ感が、定番のベース抜きトリオと異なるジャズ性を強く与えていて、テイラーのピアノと対峙していく様が迫力。大音量で聴いていくと、そこに耳が縛り付けられる。明らかにパーカーに煽られたテイラーの高揚感が伝わる瞬間があり熱い。

テイラーはcoolな人であり、音である、と思っている。そのテイラーが昂揚していく過程が与える驚き、がこのアルバムを格別なものにしている。

一瞬、twitterで話題になり入手。テイラーで気になるワンパターン・フレーズの反復も少なく、ベースの加入もあり全く既視感(既聴感?)を与えない希少なアルバムではなかろうか?CDでも実に良い音だったので聴いて欲しいアルバム。

The Eighth

The Eighth

 

 

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Cecil Taylor: The Eighth (1981, Hat Hut Records)
A. Calling It The 8th / I 18:30
B. Calling It The 8th / II 23:40
C. Calling It The 8th / III 17:30
D. Calling It The 9th 11:00
Cecil Taylor(p), Jimmy Lyons (as), William Parker(b), Rashid Bakr(ds)
Recorded by Peter Pfister
Producer: Pia & Werner X. Uehlinger
Recorded on 8 November 1981 at 2nd Freiburger Jazztage in Freiburg, Germany.

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