一度で幾通りの味がする美味しいアルバムだ。
エルザバールを知ったのは1981年のメルスでのライヴ・アルバム。
グループ名にもあるような民族音楽的な、色彩感が豊かな打楽器とベースによるミニマルな旋律。跳ねるような打楽器、胴のを存分に響かせたベースの音色が実に美味しい。その上にジャズ的なソロをのせていく。
このトリオでは、そのようなアプローチだけでなく、サックス・トリオ的な純ジャズ、ドラムレスでのエルザバールの唄、何度も美味しいアルバムになっている。
アリ・ブラウンは破綻のない落ち着いた演奏。物足りないような気がしたが、何回か聴いていると、それで良いような気がしてきた。ジャズの色付け、のような感じで。エルザバールとファイバーズが作る音空間のなかで、しっかりと吹いているから。
長くAEOCを聴かなかったことで、ファイバーズも良く知らなかった。このアルバムでの彼の重低音の鳴動、いいなあ。
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Kahil El'Zabar Ritual Trio: Renaissance Of The Resistance (1993, Delmark Records)
1. Sweet Meat(Kahil El'Zabar) 6:16
2. Ornette(Kahil El'Zabar) 9:06
3. Renaissance Of The Resistance(Kahil El'Zabar) 10:27
4. Trane In Mind(Kahil El'Zabar) 8:01
5. Golden Sea(Kahil El'Zabar) 7:56
6. Fatsmo(Ari Brown) 13:41
7. Save Your Love For Me(Betty Johnson) 4:37
Kahil El'Zabar(ds, thumb piano, vo), Ari Brown(ts,ss), Malachi Favors(b),
Recorded 29,30 November 1993 at Riverside Studios, Chicago, IL.
