K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

坂田尚子・福盛進也デュオ

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昨夜はもっきりやで、坂田尚子、福盛進也デュオ。とても好みに合う、素晴らしいものであった。

(1)坂田尚子のピアノの響きが素晴らしい。ベーゼンドルファーが濁りのない粒立った音を出し続ける。速度感もあって気持ち良い。即興主体とは云え、フリージャズというよりは、現代音楽的な響きを持つもの。若い頃のキース・ジャレットからフォーク的な匂いを抜いたような美音、と云うか。とても印象的だったのは、伝統的なジャズの音からは逸脱しているようで、むしろジャズへの求心力を見せた瞬間のピアノのキレの良さ、なかなかのドライヴ力。1970年代初頭のチック・コリアのARC、そのなかのネフェルティティのあの感じ、の次ステップへ行っている感じ。坂田流の「星めぐりの歌」はなかなかアグレッシヴで面白かった。

(2)福盛進也は坂田尚子をサポートするような、そんな演奏でスタート。さすがECM、なのでシンバルやマレットの音が美しい。ボクは勿論、ECMのリーダー作も持っているが、ドラム奏者福盛のアルバムというよりは、彼の作編曲能力を聴かせてもらうアルバム、という印象を持った。最初は、そんな印象の延長でスタートしたが、坂田ピアノに拮抗するように、テンションが上がっていく、そこが実に良かった。ECMなんか糞食らえ的に、ガシガシ叩いているときが一番良かったように思う。それでも打楽器の美音は維持しているのである。違う切り口のアルバムを待望。

(3)頭を振りながら入魂の演奏をしている坂田尚子を見ていると、何か二代目カーラ・ブレイのような感じで、独りでニヤリ。ライトで透ける綺麗な髪の毛を見ていると、だ。

そんな訳で素晴らしい音を聴くことが出来て、嬉しかった! 物販担当の門脇君(cowry coffee)はお疲れ様でした。

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