K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans Live In Tokyo(1973) モレルの打音そして日本オリジナル盤とOJC再発の比較

Bill Evans Live In Tokyo (1973, CBS/Sony)
SOPM-40
A1. Mornin' Glory (Bobbie Gentry) 5:05
A2. Up With The Lark (J. Kern, L. Robin) 6:37
A3. esterday I Heard The Rain (A. Manzanero, G. Lees) 6:22
A4. My Romance (L. Hart - R. Rodgers) 8:31
B1. When Autumn Comes (Clare Fisher) 5:50
B2. T.T.T.T. (Twelve Tone Tune Two) (Bill Evans) 6:20
B3. Hullo Bolinas (Steve Swallow) 3:46
B4. Gloria's Step (Scott LaFaro) 7:07
B5. Green Dolphin Street (B. Kaper, N. Washington) 6:37
Bill Evans(p), Eddie Gomez(b), Marty Morell(ds)
Directed By [CBS/Sony Production Director] : Kiyoshi Itoh
Engineer [Recording, Remix] : Kenichi Handa, Tomoo Suzuki, Yuichi Maejima
Producer: Helen Keane
Recorded January 20, 1973 at Yubinchokin Hall, Tokyo

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DUからの再発レコードのなかにコレがあり、1970年頃も歴史になりつつあるなあ、と感慨深いものがあった。

それはさておき、そんなことで久しぶりに聴いてみた。時として「ゴメスの弾きすぎ」が、どうも合わないので、彼が弾く期間(実に長い)のアルバムはあまり聴かない。

このアルバムではゴメスの過剰な饒舌はなく、ああ良かった。演奏では、モレルに焦点を当てることが多く、またモレルの打音が実に良くエヴァンスのピアノに合っている、それがよく分かるアルバム。コニー・ケイ、ジョー・モレロらとのような(分かるでしょ)、ドラムというより打楽器、の音。モチアンも基本的にそう。

最初から最後まで、エヴァンスのピアノは直線的に進展していったんだなあ、と思う。紆余曲折的なものはない。真っ直ぐに変化していったのだなあ、と。初期のようなゆったりとした美音を聴かせるような演奏と、最晩年の強烈な速度感とともに過剰とも思えるほどの打音、その丁度、中間のような演奏を愉しむことができる。

このアルバムの「オリジナル」はCBSソニー盤。短かったコロンビア時代の収録。その後、直ぐにファンタジーに移籍しているので、アメリカではファンタジー盤。手元にファンタジー盤がないのでOJC盤で。面白いのはOJC盤では音圧が下がり、迫力がないかな、という音。しかしCBSソニー盤であるような「高音が丸められた」感じはなく、ピアノが美しく響いている。最近知った「教え」(本当は、近年のリマスター前の原音に忠実なCDに対する教え)に従い、ボリュームを上げると「オリジナル」よりも通りのよい、美音を聴くことができる。輪郭がくっきりとした、同時期のRiversideのOJCと通じる音。ただし、ゴメスのソロ背後のエヴァンスの音を落としているような感じが気になったかな。ゴメスのソロが気になるのは、収録のバランスの問題だな。下げると気にならない。
さて、DUの塙再発はどうなんだろうか。さすがに買わないけどね。

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ライヴ・イン・トーキョー [Analog]

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ライヴ・イン・トーキョー(期間生産限定盤)

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