K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

今田勝: MAKI (1970) 先鋭性を秘めている訳では無いが

IMADA MASARU TRIO +1

今田勝: MAKI (1970, 日本ビクター)
A1. Autumn Leaves
A2. On Green Dolphin Street
A3. Gad
B1. Maki
B2. Sea Horse
今田勝(p), 水橋孝(b), 小津昌彦(ds), 三森一郎 (ts on  A2, B2)
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今田勝の演奏は,TBMの初期作品Now!で刮目:

彼のピアノの響きの良さ,それが1960年代後半のチック・コリアに通じる清新な音の流れに纏まっている.佐藤允彦のような先鋭性を秘めている訳では無いが,これもまた1969年を変曲点に,新しい日本のジャズを形作るジャズシーンの一つの要素だったのだろうな,と思う.

「マキ」は今田勝が伴奏をやった浅川マキかと思ったが,彼のお嬢さんだそうだ.

この時期のビクターの日本のジャズシリーズは様々なアルバムがあって,まさに日本のジャズが米追随から離れ,独自の音楽を追求するまでの「過渡期」を捉えている.だから,当時の米国シーンの追随盤(米ジャズのヒット盤のコピー的なアルバム)から日本のジャズを主張する盤まで含んでいる.前者には菊地雅章のMatrixとか今回再発された沢田駿吾のFormation,があろうかと思う.このアルバムは,それらよりは後者に寄っていると思う.

同時にこのアルバムも聴いたが,1960年代後半のクリード・テイラー・プロデュースのアルバムの臭いが強めで,ちょっとシンドかったな.

Maki [Analog]

Maki [Analog]

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