金沢に移り住んで最初の春に桜を追いかけようと楽しみに過ごしてきた数カ月,そのときを迎えて,まさかにも3週間以上のながきにわたって楽しめるとは思わなかった.犀川河畔からはじめた観桜も,そろそろ区切りのときがきている.先週満開だった卯辰山に再びでかけて,去りゆく桜の候をたのしむことにして,雨降りの前に飛び出した.
ポットにコーヒーを沸かしたてのコーヒーをつめて,自転車のペダルを踏み込み30分,犀川を越え,小立野をまたぎ,浅野川を通り過ぎ,卯辰山を登った.路には砂のように桜の花びらが流れていた.谷間におりると,少し大気が変わり,清澄な冷たさを感じはじめ,目の前に花が広がる.胸が高なる.
ポットにコーヒーを沸かしたてのコーヒーをつめて,自転車のペダルを踏み込み30分,犀川を越え,小立野をまたぎ,浅野川を通り過ぎ,卯辰山を登った.路には砂のように桜の花びらが流れていた.谷間におりると,少し大気が変わり,清澄な冷たさを感じはじめ,目の前に花が広がる.胸が高なる.
今日は曇天で空の様子もふらふらしていたのだが,明るければ彩があり,暗ければ翳りがあり,コヒーを呑みながらぼんやり芝のうえで転がっていたら,僕にとっての桜のエピローグとなってきたように思えた.初々しい桜花もいいが,散りゆく桜もとても美しい.