Bela Bartok, left, stands at a window sill recording folk songs from Eastern European peasants in 1907 (NPRのサイトより)
先週末は仕事で大船に出かけた。そこで地震に遭遇。震度5と仕事先設置の地震計が伝えていた。
そのときボクは大船を急いで歩いていた。何だか奇妙な静さに気がつき見上げると、信号機が消えていた。初めて見る消えた信号機。街から音が消えていた。暫くして全てが大きく揺れていた。地が揺れ、電柱が揺れ,建物が揺れていた。ゆっくりと。ボクは上を見上げていた。空が青く、深く、揺れる音だけがきこえていた。そのうちに、あれは終わったのだけど、奇妙な静さだけ、その後、数時間残った。そのうち、まっ暗な大船の街、頭上に弓のような月とオリオン座。星座の腰あたりの星雲が見えそうな漆黒の街。そのうちに角から角、辻から辻に灯がともっていき、月と星の饗宴は終わった。
それがボクの地震体験。広域停電のなか、何時間か、災害備蓄用毛布の埃っぽい匂いのなかで乾パンをかじっていた。
金澤に戻った日曜日、まわりに何か非現実的な膜がはって、そこを通して外を眺めるような、なんだか変な感覚がある。気が抜けたのかなあ。
そんな少し疲れたような日曜日なので、クラシックというより民族音楽のような音源をぼおっと聴いている。米国NPRの音楽サイトでみつけたもの。なんとなくほっとする音楽。クラシックというより民族音楽、20世紀の音の流れの源のような。 行ったこともない中欧の音楽なのだけど、肌合いが気持ち良い。
ストリーム音源はこちら:
http://www.npr.org/player/v2/mediaPlayer.html?action=1&t=1&islist=false&id=103733863&m=103823164
解説記事はこちら:
http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=103733863
奏者は、Muzsikasというハンガリーの民族音楽グループ、やはりハンガリーの歌手Marta Sebestyen、それにクラシックの弦楽カルテットTakacs Quartetが加わっている。バルトークが蝋管録音機(写真に写っている)を持って20世紀のはじめに旧ハプスブルグ帝国内の広大なハンガリー領(今のハンガリーとルーマニアのトランシルヴァニア,そのほかの周辺国領土の一部)で蒐集した音がもとになっている音楽。民族音楽の美しい滴が結晶となっている。
疲れたときにでもどうぞ。
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1. Bartok: Violin Duos (with source tunes)
- Torontal Dances (Muzsikas)
- "Ardeleana" (historic Bartok field recording)
- Duo No. 44
- "Shoe of My Horse" (Marta Sebestyen)
- Duo No. 28
- Duo No. 32
- "Jocul Barbatesc" (Marta Sebestyen)
2, Bartok: Sonatina (with traditional tunes)
- Bagpipes (Takacs Qt.)
- Bear Dance (Takacs Qt.)
- Bear Dance from Gyimes (Muzsikas)
3. Traditional: Ballad of the Murdered Shepherd
4. Bartok: Romanian Folk Dances (with source tunes)
- Bota es Invertita (Muzsikas)
- Stick Dance (Takacs Qt.)
- Waistband Dance (Takacs Qt.)
- "Pe Loc" (Muzsikas)
- Hornpipe Dance (Takacs Qt.)
- Romanian Polka (Takacs Qt.)
- Mehkerek Dances (Muzsikas)
- Quick Dance (Muzsikas & Takacs Qt.)
Bostonの Jordan Hallでのライヴ(2009年5月6日)