K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Wayne Shorter: Speak No Evil (1964) オトの世界の迷い子(ディスクユニオンの復刻盤)

 結局、オトの世界の迷い子なのだと思う。迷う、ということが好きなのだと思う。だから、いつも迷路のなかにいる。いろいろなプレスのレコード盤を手にすることは面白い。だから迷う、のだ。

 この半世紀前のショーターの旧譜は、ディスクユニオンの復刻Blue Noteシリーズの一枚。K君とたまたまお茶の水での試聴会に行くことになって(全く意図せず)、買ったもの。実はショーターのオマケのシングルが欲しくて、ノリで1枚だけ買ったモノ。

 実は高価な復刻盤を買うなら、もう少し無理をしてオリジナル・プレスを買えばいいじゃないか、という本心もあって、この復刻盤シリーズには全く関心がなかった。たまたまの試聴会で聴いた音が、なかなか素晴らしい。制作者の方々と話しをしたけど「音は復刻でない」と断言したのには、とても好感を持った。オリジナル・プレスで中音域の音圧が高く聴こえるのは、高域が抑えられているから、だそうだ。うーむ。だからジャケットや盤、さらにインナーは細心のマニア・ゴコロで復刻をしているのだけど、録音は自分達の好みで、らしい。やるじゃないか。

 確かに自宅で聴くと、あのクグモッタようなBlue NoteのRVGサウンドではなく、PrestigeのRVGのようなスカッと抜けた音のように思える。とても好み! そんな訳で、すこし雲が晴れたようなショーターに黒魔術サウンドを不思議な気持で聴いている、この頃なのだ。このシリーズのピアソンが欲しくなった、困ったぞ。

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 Wayne Shorter: Speak No Evil (1964, Blue Note)
   A1. Witch Hunt
   A2. Fee-Fi-Fo-Fum
   A3. Dance Cadaverous
   B1. Speak No Evil
   B2. Infant Eyes
   B3. Wild Flower
Wayne Shorter(ts), Freddie Hubbard(tp),  Herbie Hancock(p), Ron Carter(b), Elvin Jones(ds)