K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Kahil El'Zabar, David Murray : We Is/ Live At The Bop Shop (2004) 彼らの音の太さ、が

Kahil El'Zabar & David Murray : We Is/ Live At The Bop Shop (2004, Delmark)
1. Groove Allure 14:03
2. We Is 9:32
3. Blues Affirmation 18:03
4. One World Family 10:56
5. Sweet Meat 8:35
Kahil El'Zabar(perc), David Murray(ts, b-cl)
Producer: Robert G. Koester, Steve Wagner
Recorded live at The Bop Shop record store, Rochester, NY
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音の好みは移ろう。ある日、楽しめた音の味が消えて驚くような感覚、がある。そして、音源のリストを探り、移転先を探すのだ。だから衝動的な音源購入が止まらない、ような気がする。

今朝はエルザバールやマレイの音がドスンと決まったので嬉しい。彼らの音の太さ、が気持ちよく美味しい。

 

[2016-04-14] マレイの響き

最近、懐かしいフリージャズを聴くことが増えた。耳から意識の基層に伸びる回廊のようなものが、そのような音を通すようになった、らしい。30年振りかもしれない。楽しい。ふっと思い出したのは、30年前のこと。ジャズ批評かなんかに掲載されたマレイのアルバムが欲しくて、大阪から御茶ノ水ディスクユニオンまで出かけた。まとまって入手できて、嬉しかった、なあ。デジョネットのspecial editionに心躍らされた頃が懐かしい。

その後のマレイの影の薄さ、がいささか気になるが、ある種の鋭さ、過剰さが引っ込んだから、仕方がない。それでも、30年前とさほど変わらぬマレイの響きを聴くと、まあいいかな、とも思えるのだ。伝統芸能だよね。

このアルバムはマレイと、シカゴAACMのエルザバールのデュオ。このエルザバールの打楽器は、アフリカの民族音楽のような響きで、やはり伝統芸能。骨太のマレイの音との相性はよい。フリージャズとか、そんな感じじゃなくて、彼らの祖霊への祈りのような演奏はなかなか聴かせるのだ。変わらぬ伝統芸能のようで、彼らなりの円熟を感じることもあって、芸能として、一つの到達点じゃないかなあと思う。

エルザバールは30年以上前に買ったメルスのライヴで知ったのだけど、ずっと同じ路線でやっているよう。