数日前の天気予報では晴れだったのに。墨を流したような空だった。時折、渓へ急ぐ車体を雨が打つ。
呑んだ後で、遅い時間だった。源流の入り口には先客がいた。知り合いのフィアットだ。彼が入渓したであろう沢と、反対側に入る。やや狭い沢なので増水している流れは強く、ポイントは濁流になっていた。釣り、よりは、奥が気になって、沢沿いの路を詰めていった。そこは単色の世界で、暫し時間の動きを感じないような感覚。鈍い音で鳥が鳴く。
幾つか緩流に餌を投げ込み何本か釣る。20cm越えを持ち帰る。次はいつ入れるだろうか?