K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

佐々木秀人・関根敏行カルテット: Stop over (1976) 米ジャズへの純な憧れが香料となっているような

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先般の東京のカフェ訪問は得るものが大きかった、と思う。正統的なジャズ喫茶の愉しみ、のようなものを直球で受け取った。

美味しい珈琲を呑む。盤が変わる、その瞬間、カフェの空気が入れ替わる。おっ、と思って盤に目を走らせると、店の主人と目があう。おずおずと、その盤を見せてもらう。大昔、大学生の時分、京都のジャズ喫茶で繰り返したこと、を思い出した。

これはCafe Incusで聴いた盤。何とも良くできたアルバム。1960年代後半のブルーノート4000番台から闇を抜いた、というか、透明な音空間であるのだけど欧州のような温度の低さ、はない。米ジャズへの純な憧れが香料となっているような青さ、が魅力というか。いや聴き手にとっても、痒いところに手が届くような選曲と編曲。

また最近のdiskunionの再発モノ同様、音質がとても良い。レコードで、という気分にならないほど、レコード的なのも魅力。

それ以上に、こんな盤を教えてくれるCAFE INCUSの魅力にも参った。

 追記:このアルバムにもついている枕詞である和ジャズという表現に違和感が強い。ジャズはジャズじゃないか。何か差異の鍵として、「和」という言葉を使うことに対し。もっとも、仕掛け人の一人であろう塙氏には、発掘・再発への感謝の念しかないのだけど。コトバの話だけど。

ストップ・オーヴァー

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  • アーティスト: 関根敏行カルテット+1 佐々木秀人,佐々木秀人,関根敏行カルテット+1
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2007/02/02
  • メディア: CD
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佐々木秀人・関根敏行カルテット: Stop over (1976)
1 Carole's Garden (Denny Zeitlin) 7:31
2 Soultrane (Tadd Dameron) 4:53
3 Turquoise Twice (Cedar Walton) 9:23
4 Little B's Poem (Robert Hutcherson) 10:10
5 Stop Over (佐々木秀人) 9:20
佐々木秀人(tp), 渡辺典保(as), 関根敏行(p), 成田敬(b), 黒崎隆(ds)