K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Eddie Jefferson: The Main Man (1976)  ヴォーカルは苦手だけど

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射殺はリー・モーガン、撲殺はジャコ・パストリアス、転落死はチェット・ベイカーと、悲劇的な最期を遂げた奏者を思い出す。ボクの記憶にはもう一人射殺されたジャズマンがいる。歌手のエディー・ジェファーソンで、モーガンと同じく細君に撃たれている(富樫雅彦の「事故」が刺殺未遂なのは、日本的か。最近になってネットで知って驚いた)。

エディー・ジェファーソンはヴォーカリーズの元祖だそうで、最近亡くなったジョン・ヘンドリックスLHRから、ある時期のマンハッタントランスファーまで、器楽的な唄を愉しませてくれる。ヴォーカルが割と苦手なボクにとっては、ヒトの声が醸し出す言外の情感のようなものが薄く、ビートと一緒に跳ね上がるようなヴォイスは好み。LHRもマンハッタントランスファーも含め。マンハッタントランスファーは、ジャニス・シーゲル以外は下手、と云われていたが、べったりしない芸風は好きだった。

エディー・ジェファーソンもまさにそんな感じ。これはその彼が射殺される死の前年のアルバム。跳ねる太い声を聴くことが愉しい。スタートがピアソンのJeannine 、好きな曲だ。ヴォーカリーズだから原曲の空気を楽しくtranslateしている。

このアルバム、creditを見て驚き。新旧、フリーを交えた豪華版:ハミエット・ブルーィエット、リッチー・コール、スライド・ハンプトン、ジュニア・クック。しかし演奏では全く存在感は小さく、ひたすらエディー・ジェファーソンがジャンプしながらドライヴする楽しいアルバム。久々に聴いたが、いいなあ。

ザ・メイン・マン[国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き](CDSOL-45621)

ザ・メイン・マン[国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き](CDSOL-45621)

 

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Eddie Jefferson: The Main Man (1976, Inner City Records)
A1. Jeannine (Pearson, Brown)
A2. Night Train (Forrest)
A3. Moody's Mood For Love (McHugh)
A4. Body & Soul (Johnny Green)
A5. Confirmation (Parker)
B1. Benny's From Heaven (Johnston, Burke)
B2. Summertime (Gershwin)
B3. Freedom Jazz Dance (Harris)
B4. Exactly Like You (Jimmy McHugh & Dorothy Fields)
Eddie Jefferson(vo), Janet Lawson (vo on A3), Charles Sullivan(tp), Slide Hampton(tb), Richie Cole(as), Junior Cook(ts), Hamiet Bluiett(bs), Harold Mabern(p), George Duvivier(b), Billy Hart(ds), Azzendin Weston, Harold White(conga),
Engineer: Elvin Campbell
Liner Notes: Leonard Feather
Producer : Irv Kratka, Leon Thomas