K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Shirley Scott: One For Me (1974) 掌にのるような

Shirley Scott: One For Me (1974, Strata-East ==> Arc)
A1. What Makes Harold Sing? (Shirley Scott) 8:53
A2. Keep On Movin' On (Harold Vick) 9:52
B1. Do You Know A Good Thing When You See One? (Shirley Scott) 8:51
B2. Big George (Shirley Scott) 5:22
B3. Don't Look Back(Harold Vick) 8:56
Shirley Scott(org, Mellotron on B3), Harold Vick(ts), Billy Higgins(ds), Jimmy Hopps (Cowbell onA2)
Engineer [Recording] : David Horowitz, Eddie Korvin
Recorded at Blue Rock Studios, New York City
Mastering at Generation Sound

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シャーリー・スコットのStrata-east盤の、質の良い再発。いろいろな所からStrata-eastは再発されているが、音質の当たり外れがある。いつだったかのサンダースのアルバムは良くなかった。

このアルバムではジャケットを変え、またスリーブにはこのアルバムの経緯が書かれている。このアルバムへの制作者の深い愛情を感じる。帯までついて、レコードを出すのが一苦労だったが。

内容なのだけど、頭から終わりまでテナーとオルガンがつくる旋律が柔らかく、Strata-eastにしては中庸なアルバム。オルガンというとグルーヴ感を強調したものが多いように思うのだけど、これはそうでない。柔らかなドライヴ感を保ちながら、ハロルド・ヴィック(はじめて聴いた)のテナーの柔らかな音を聴かせるようになっている。そんな造りが実に上手くいっていて、録音の良さもあり、じっくり聴いたし、もう一回まわしたくなる、そんなアルバム。

このアルバムがシャリー・スコットが本当にやりたかった音楽だったそうだ。大仰な音ではなく、掌にのるような、そんな曲ばかり。そんな安らぎを感じる、ちょっと不思議な印象。

 

 

One For Me [Analog]

One For Me [Analog]

  • アーティスト:Shirley Scott
  • 発売日: 2020/07/17
  • メディア: LP Record