K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Tommy Flanagan: The Complete "Overseas" (1957) 日本盤でもいいじゃないか

Tommy Flanagan: The Complete "Overseas" (1957, DIW)
A1. Relaxin' At Camarillo (C. Parker) 3:15
A2. Chelsea Bridge (B. Strayhorn) 3:40
A3. Eclypso (T. Flanagan) 6:12
A4. Dalarna Take 3 (T. Flanagan) 4:35
A5. Verdandi Take 1 (T. Flanagan) 2:10
A6. Willow Weep For Me Take 2 (A. Ronell) 6:12
B1. Beat's Up (T. Flanagan) 4:17
B2. Skål Brothers (T. Flanagan) 2:30
B3. Little Rock (T. Flanagan) 7:00
B4. Dalarna Take 2 (T. Flanagan) 4:35
B5. Verdandi Take 2 (T. Flanagan) 2:05
B6. Willow Weep For Me Take 1 (A. Ronell) 5:50
Tommy Flanagan(p), Wilbur Little(b), Elvin Jones(ds)
Recorded August 15, 1957 in Stockholm.

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今まで持っていたのは、結構古い日本盤で亡父のもの。ボクが買ったヤツ(ジャケットの沢山Cが書いてあるOverCs、勿論日本盤)は、大学時代にサードハードオーケストラの松浦君に貸したっきり[1985年にサードハード卒業後、オムロングループに就職した松浦君です。返してください(笑)]。

だから、このDIW再発時の1986年には手元になくて(親父健在)、このcomplete盤を買おうか迷った記憶がある。なぜか買わなかったのだけど。当時、DIWが提携?していたスウェーデンのDragonレーベル(マイルスやモンクの欧州ツアー盤に驚いた)が出したcomplete盤をもとに、発売当時のメトロノーム盤(EP)のジャケットを使ったもの。沢山Cが書いてあるジャケットはPrestigeの初版。元祖「幻の名盤」で名高い。セカンドは安価、RVGのカッティングで心動いたが、疑似ステレオらしく残念。

このDIW盤は、つい最近、安い価格で入手。聴いてみたのだけど、エルヴィン・ジョーンズの打音が弾けるような感じで、日本盤でもいいじゃないか、と思えるレベル。惹き込まれるように両面を聴いたが、ジョーンズの重たい・強い打音が軽妙にドライヴしていく不思議な感覚に掴まれた。実に面白い。ブラッシングの妙。

このトミー・フラナガンとハンク・ジョーンズは、1970年代から80年代に実に多くのアルバムが日本で作られた。ふたりとも穏やかなバップのピアノ。実に心地よい。しかし本盤を改めて聴くと、穏やかだけではない、エルヴィン・ジョーンズの打音に劣らぬ打鍵の強度を感じる。「量産」された日本企画盤にはない強さ、のように思えるがどうだろう。晩年のケニー・ドリューの日本企画盤ほど緩くはないと思うのだけど。

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オーヴァーシーズ 
Overseas
 

 

[2021-01-25] 今宵の一枚

complete と称するDragon原盤のDIW盤。キレの良い音で1000円ちょっとの安レコードだけど楽しめる。やっぱりエルヴィンのドラムは良い。

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