1980年頃、話題になることも稀、な奏者だったような気がする。むしろ後半生、押し迫るほど名声が拡がった人ではなかったか。
最晩年、当地でもライヴがあったのだけど、ついぞライヴは聴かなかった。改めて、Riverside盤を聴いてみるが、ケレン味が全くなく、純度が高いバップ・ピアノを聴かせる。そのエンターテイメント性の低さ、で人気が広がらなかった印象がある。同じようなカテゴリに入るハンク・ジョーンズやトミー・フラナガンが発する、こじんまりとしたバップ・ピアノの愉しさ、のようなものも感じない。
1970年代のXanadu盤や晩年のモンクへのトリビュート・コンサートでもRiverside盤からぶれないピアノを聴かせていて、彼への敬意が21世紀に至るまで衰えない理由、のようなものが少し腑に落ちたように思う。
日本盤でXanaduのダメロン集を聴いてみるが、典型的な日本盤音質(丸まったような音)で嫌になる。
米Xanadu盤の東京ライヴは良し。Riverside時代と余り変わらずケレン味が全くない薄味のバップ。1970年代のアルバムはベースに電気臭あり、70年代アルバムの嫌な面が気になった。