K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Art Farmer: Sing Me Softly Of The Blues (1965) ようやくそれらしい音に

Art Farmer: Sing Me Softly Of The Blues (1965, Atlantic)
Stereo, SD 1442
A1. Sing Me Softly Of The Blues (Carla Bley) 6:49
A2. Ad Infinitum (Carla Bley) 6:23
A3. Petite Belle (Steve Swallow, Trad.) 4:07
B1. Tears (Pete LaRoca) 5:45
B2. I Waited For You (Walter Fuller) 6:00
B3. One For Majid (Pete LaRoca) 6:01
Art Farmer(flh), Steve Kuhn(p), Steve Swallow(b), Pete LaRoca(ds)
Engineer [Recording] – Phil Iehle, Tom Dowd
Superviser: Arif Mardin
Recorded March 12, 16 & 30, 1965 in New York City.
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どうもアトランティックの原盤を入手しても、聴いて良かった、という記憶がない。なんか乾いたような音で、CDのほうが良いようにも思えるくらい。

それがどうも補正カーヴの問題と知り、改めて聴き直した。RIAAカーヴでなく、NABカーヴだと云われている。Columbiaカーヴ同様、高音・低音をRIAAより抑える補正。イコライザの設定はColumbia。あわせて針先のクリーニングを行う。これも効果的。

どうも入手した盤も「眠っている」ようで、さらに何回か聴いて、ようやくそれらしい音になってきた。

カーラ・ブレイの美しい旋律ではじまる。アート・ファーマーの柔らかなフリューゲルホーンで。ワンホーン・アルバムの良さ、そのもの。それだけでも美味しいアルバムなにだけど、加えて共演者が素晴らしい。BNのバスラと同じキューン、スワロー、ラ・ロカのトリオ。エヴァンスほど甘くなく、(当時の)ザイトリンほど辛くない。しかし淡々とした伴奏のなかで彼らのような甘さ、辛さが随所に散りばめられるような美味しさ、そこが好きだ。

まあ聴けるような音にようやくなって、それでも「良い音感」が全くないところがアトランティックだなあ、と改めて思った。

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ブルースをそっと歌って<SHM-CD>

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