最近、LPレコードで入手したアルバム。好きなアルバムだし。
ジャケットを見て驚いたのは、写真の粒度が粗い。つまりCDのジャケットの引き延ばし。あれまあ、という感じ。ECMの流通に乗っているが、WATTは別レーベル。アメリカ人の大雑把な造り、のようだ。
音も、まあLPで聴く場合との印象の大きな差はなかった。ピアノの残響音が綺麗だとか、そんな差異は感じなかった、のだけど、スワロウが弾くフレットレス(じゃないかなあ)の電気ベース固有の粘り、のようなものが強調され、ちょっとエッフェクター過多のように感じた。
演奏も軽めで、最近のような深み、は感じない。軽妙さ、を楽しむアルバム。ただ、この一連のデュオも3作目あたりになると、かなり聴かせる印象がある。それがLPだったら良かったのに、って思った。
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Carla Bley & Steve Swallow: Duets (1988, WATT)
A1. Baby Baby
A2. Walking Batteriewoman
A3. Útviklingssang
A4. Reactionary Tango Parts 1/2/3
B1. Romantic Nations #3
B2. Remember
B3. Ups & Downs
B4. Ladies In Mercedes
Carla Bley(p), Steve Swallow(b)
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[2011-02-22記事] あれまあのジャケットなのだけど、とてもチャーミングなピアノ
Wattというレーベルは、かつて(ってボクが大学生の頃、30年前)は独立系のレーベルで主宰はカーラ・ブレイ。今はECMの傘下だけど、プロデュースはカーラがやっていて、アイヒャーではない。主にカーラのアルバムを出し続けている。
カーラはジャズ界(ってあるのか?)で、作曲者として定評があって、多くの奏者にカヴァーされている。確かにArt Farmerのアルバムなんか見事にリリシズムが昇華したようなアルバムになっていた。黒光りするような汗、のようなジャズとは一線を画している。
ボクはカーラの中編成、大編成のバンドは面白いと思ったことはないのだけど(だからカーラの好きなアルバムはなかった)、この現在のパートナー(Paul Bley, Gary Peacock, Michael Mantlerから数えて何人目か?)であるスティーヴ・スワローとのデュオは大好き。過去リリースされている3枚とも持っている。とてもチャーミングなピアノでお茶目、聴いていてとても楽しい。スティーヴ・スワローの電気ベースはクセがあるので好き嫌いがヒトによって大きく分かれる。ボクはヘンな感じは嫌いじゃないから、ヘンだから案外好きな奏者。老境に突入した二人が、人前で楽器をつかってイチャついているのを見る趣向なのだけどね。好きな音。
もう今ではすっかりお年を召されているのだけど、そんなこともドコ吹く風でお茶目にジャズの海を泳いでいるカーラ・ブレイはいいなあ、といつも思う。映像をみるとおっかないのだけどね。
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Carla Bley(p) & Steve Swallow(b): Duets (Watt,1988)
1. Baby Baby
2. Walking Batteriewoman
3. Utviklingssang
4. Ladies In Mercedes
5. Romantic Notions #3
6. Remember
7. Ups & Downs
8. Reactionary Tango-Parts 1/2/3
9. Soon I Will Be Done With The Troubles Of This World