K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Jimmy Giuffre: Graz 1961 ブレイやスワロウの現代的な演奏もさることながら

Jimmy Giuffre: Graz 1961 (ORG Music)
ORGM-2144
A1. Ictus (Carla Bley) 3:09
A2. Brief Hesitation(Jimmy Giuffre) 4:49
A3. The Gamut(Jimmy Giuffre) 5:29
B1. Suite for Germany(Jimmy Giuffre) 12:13
B2. Trance(Jimmy Giuffre) 7:18
C1. Cry, Want(Jimmy Giuffre) 10:11
C2. Carla (Paul Bley) 7:02
C3. Whirrr(Jimmy Giuffre) 5:35
D1. Temporarily (Carla Bley) 5:32
D2. Scootin' About(Jimmy Giuffre) 7:07
D3. That's True, That's True(Jimmy Giuffre) 7:58
Jimmy Giuffre(cl), Paul Bley(p), Steve Swallow(b)
Recorded live October 27, 1961 by ORF Graz

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RSDの限定発売品。地方に居ると、入手が難しい。もうレコードは復活したのだから、こんな下らない企画は止めて欲しいね。通常ルートで普通に入手できる、そんな仕組みにして欲しい。これも最近になって出たものを、ほぼ定価で入手。あまり人気がないジェフリーだから入手できたのだろう。

ブレイの1950年代のアルバム、正統的なバップ・ピアニストのそれ、からSavoy盤を皮切りとするフリー・ジャズへの接近の間、リーダ作は途切れている。それを埋めるのが、オーネット・コールマンとのセッション(後年出た発掘盤の類い)やスワロウとのジェフリー・トリオ。

ECMの源流としての話は語り尽くされているので、もういいか、って感じなのだけど、このアルバム(CDでは既に出ていて、レコード発売ははじめて)でもやはり、そんなジェフリー・トリオの空気感を楽しむことができる。ブレイもスワロウもそんなに過激な演奏をしている訳ではないのだけど、それは今の感覚。1961年当時はジャズに聴こえなかった、のではないか。スタイルと比べ、演奏そのものは分かりやすく楽しいコールマンとは随分違う。曲によっては、メシアン「世の終わりのための四重奏曲」を思い出したりしている。

発掘盤固有の音の抜けなさ、バランスの悪さ(ブレイがオフ気味)があるが、そうだと思えば聴くことができる程度にイコライズされている、と思う。ブレイやスワロウの現代的な演奏もさることながら、ジェフリーの刺すような高音に魅了された。もう少し、このあたりを聴こうか。