K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Don Sebesky: Giant Box (1973) 無駄なゴージャス感が楽しい

Don Sebesky: Giant Box (1973, CTI Records)
A. Firebird / Birds Of Fire (Igor Stravinsky/John McLaughlin) 13:55
B1. Song To A Seagull (Joni Mitchell) 5:45
B2. Free As A Bird (Don Sebesky) 8:10
C1. Psalm 150 (Jim Webb) 8:08
C2. Vocalise (Sergei Rachmaninoff) 5:35
D1. Fly / Circles (Don Sebesky) 9:38
D2. Semi-Tough (Don Sebesky)
Don Sebesky(electric piano, organ, clavinet, accordion, arranger, conductor)
Freddie Hubbard(tp), Grover Washington, Jr., Paul Desmond (as), George Benson(g), Airto Moreira(perc), Milt Jackson(vib), Jackie Cain, Roy Kral(vo), Hubert Laws(ss, fl), Joe Farrell(ss), Ron Carter(b), Bob James(org), Billy Cobham, Jack DeJohnette(ds), etc
Recorded at Van Gelder Studios April & May 1973.

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ドン・セベスキーは聴いていない。昔、ジョージ・ベンソンのCTIでの大仰な編曲が気持ち悪かった、のだ。それは、この箱入りのアルバムを聴いても、大きく変化しない。しかし、そこをひとまず置いてでも聴きたくなる何か、がある。だから、入手してから何回もターンテーブルに載せている。

クラシックを題材にとった大時代的なアンサンブルを我慢すると、実に魅力的なソロが目白押し。特にフレディ・ハバードの速度感溢れる、柔らかなフリューゲルホーンの音色が堪らない。ポール・デスモンドやグローヴァー・ワシントン・ジュニア、ジョーファレルのサックスもそう。タイトなリズムセクションも実によくドライヴして楽しい。

ヴァン・ゲルダーの録音も少しあるかもしれない。1970年代以降のヴァン・ゲルダーの録音は、同時代水準からみて音の鮮度が感じられなく、精彩を全く欠く。時代が変わったのだ。しかし管楽器のソロが実に美味しく捉えられていて、案外不満はない。

そんな訳で案外クセになりそうなアルバム。

箱に入って、また奏者の写真集付きという、無駄なゴージャス感がジャケット(箱)のアメ車の写真とぴったり、またセベスキーの編曲の印象とも重なる。

そんなことを思いながら聴くのが楽しいアルバム。

 

 

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