K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

富樫雅彦, 高橋悠治: Wandering Fire -さまよう火 (1988) 熱く冷たい

富樫雅彦, 高橋悠治: Wandering Fire -さまよう火 (1988, SUPER FUJI DISCS)
1. Sand 砂
2. Blue Foxes 青狐
3. The Gate 門
4. Wandering Fire さまよう火
5. Under the Leaves 葉陰に
6. Before Night Falls 夜が来る前に
富樫雅彦(perc), 高橋悠治(synth, sampler)
1988年11月23日
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富樫雅彦と高橋悠治のデュオ。1988年のスタジオ録音。

上腕での演奏家となって以来、どのような場面であっても、彼自身の音場を確保し、そのなかで温度が低い音を放つ印象がある富樫雅彦。しかし、この録音では思いの外、熱い富樫の打音が響く。高橋悠治との間で触発されたような、その打音の熱さ、のようなものが実に素晴らしい。熱く冷たい。

そのような打音に誘い込む高橋悠治の電子音が実に面白い。実験音楽の流れを汲むような鋭さ、といおうか。身体を感じさせない音でありながら(ジャズには聴こえない面白さ)、二人での作業から生まれる「ジャズ的な音」の在り方に惹かれてしまった。

随分と繰り返し聴いたな。