K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Tommy Flanagan: Lonely town (1959) OverCsの2年後、Elvin Jonesとの共演盤の謎


Tommy Flanagan: Lonely town (1959, Blue Note/King record) 
GP 3186
A1. America (Leonard Bernstein)
A2. Lonely Town (Leonard Bernstein)
A3. Tonight (Leonard Bernstein)
B1. It's Love (Leonard Bernstein)
B2. Lucky To Be Me (Leonard Bernstein)
B3. Glitter And Be Gay (Leonard Bernstein)
B4. Make Our Garden Grow (Leonard Bernstein)
Tommy Flanagan(p), Joe Benjamen(b),  Elvin Jones(ds)
Producer: Kenneth Karp
Recorded in New York City, March 10, 1959.
Released: 1979
-----------------------------------------------

昔、SJ誌にキング・レコードの冊子が付録についた:

そのなかで(未だに)気になっていたのが、当時のキングレコードの目玉であった、ブルーノートの発掘盤シリーズのなかにあったフラナガンのレコード:

つい最近入手した。どうも珍しい盤ではないようで、そんなに高価でなかった。ブルーノートの未発表演奏がブルーノートにあったこと自体、驚き。共演は、その2年前のOverseasと同じくエルヴィン・ジョーンズなので、これも驚き。しかし、このアルバムはLPでは本盤のみ、CDで1回の発売のみである。これも不思議。

レコードに記載のCreditでは、Producer: Kenneth Karp、Recorded in New York City, March 10, 1959。ライオンのプロデュースではないし(Kenneth Karpが何者か不明。偽名?)、また録音がNJのヴァンゲルダーのスタジオではなさそう、も不審。

DiscogsのCreditによれば、CDはUnited artistから(といっても東芝盤だけど)。なんとも不思議な話。その後のジャズ批評別冊によると、United artistだそうだ。

前置きが長くなったが、聴いてみると、確かにブルーノートの蔵出し音源ではないことが分かる。ピアノの音がボクの好みに近く、流麗に鳴り響いている、のだ。あのくすんだ、デッドに近い音響ではない、のだ。ライオンが関与していない、と断言できるレベル。

だからピアノ・トリオの録音としては、ブルーノートの平均点を超えている。とにかく良い音なのだ。またバーンスタインの曲を集めただけあって、華やかな佳曲集になっていて、フラナガンのピアノが良く鳴っている。OverCsのような流れるような打鍵ではなく、むしろ曲そのものを味わうような打鍵が与える印象はOverCsの逆。これが印象的。またエルヴィンは脇に徹していて、OverCsのような溢れるようなブラッシングの迫力、は全くない。このあたりが、大きな評判にならなかった原因か。でも、これはこれが良い。

 

 

ロンリー・タウン

ロンリー・タウン

Amazon