Geri Allen: Twenty One (1994, Sometin' else==>Blue Note)
A1. RTG (Geri Allen) 2:45
A2. If I Should Lose You (Robin, Rainger) 4:36
A3. Drummer's Song (Geri Allen) 3:49
A4. Introspection / Thelonious (Thelonious Monk) 4:35
B1. A Beautiful Friendship (Cahn, Styne) 3:21
B2. In The Morning (For Sister Leola) (Geri Allen) 6:09
B3. Tea For Two (Caesar, Youmans) 3:18
C1. Lullaby Of The Leaves) Arranged By – M. L. Williams (Petkere, Young)5:13
C2. Feed The Fire (Geri Allen) 6:16
D1. Old Folks (Hill, Robison) 6:17
D2. A Place Of Power (Geri Allen) 3:16
D3. In The Middle (Geri Allen) 4:25
Geri Allen(p), Ron Carter(b), Tony Williams(ds)
Executive-Producer: Hitoshi Namekata
Producer: Herb Jordan, Teo Macero
Co-producer: Geri Allen
Mastered By [Original]: Glen Kolotkin
Mixed By – Glen Kolotkin
Engineer: Kevin Halpin, Richard Clarke, Tom Miho
Mastered By [Vinyl]: Kevin Gray
Lacquer Cut: KPG
Recorded at Manhattan Center Studios on March 23-24, 1994
Mixed at Manhattan Center Studios on April 28-29, 1994
Mastered at BMG Studios on May 3 & 6, 1994
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ジュリ・アレンが亡くなって久しい。いつだったか、バスター・ウィリアムズのライヴを聴いて、そのメンバーであったアレンのピアノの輝きに驚いたのが、彼女を認識したとき。
しかし、リーダー作はどうもピンとこなかった。ヘイデン、モチアンとのセッションなんて、まっ中心の筈なんだけど。多分、音響的には好きなピアノなんだけど、スパイス的な捻りの匂いが合わなかった、のだと思う。
このアルバムは先日、Blue Noteの再発シリーズで2枚組LPで再発されたもの。やはり、無駄に2枚にしただけあって隅々まで音が良い。ただし、高音がキツいので、新しいタンノイでなく、JBLで聴いて丁度。
もともとは日本のSometin' elseレーベル(東芝の主流派ジャズ・レーベル)のアルバム。このレーベルは、その企画臭が合わないのであまり聴いていない。有名ミュージシャンにスタンダードをやらせるようなビーナス(よりはズッとましなのだけど)と似たような印象。
このアルバムは日本から発注して、テオ・マセロらがニューヨークで制作したアルバムのようで、そのような「日本好みの企画臭」が全くない。「多分」だけど、主流派寄りに微修正した感じで(カータとウィリアムスだものね)、その微修正が見事に「ボクが合わないと感じる捻り」のようなものを感じさせない、直球のアルバムに仕上がっていて、実に良い。しかも、彼女のピアノが孕む美音が見事に再生される。EWのGJT同様、明らかに過剰なワキも、録音バランスがよくカツカツOKな範囲に留まっている。豪速の主流派列車のなかで、アレンの音はしっかり保たれている。プロデュースの良さを感じる。
改めてアレンのアルバムを聴き直したいな、と思わせた一作。レコードで是非入手を。素晴らしい。