K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Great 3 (菊地雅章, Gary Peacock, 富樫雅彦) : Straight, No Chaser (1994) 美音に浸る

Great 3 (菊地雅章, Gary Peacock, 富樫雅彦) : Straight, No Chaser~live Sessions 1994 (1994, Nadja21)
A1. Tennessee Waltz (Redd Stewart, Pee Wee King) 9:19    
A2. Little Abi (Masabumi Kikuchi) 11:33    
B1. Straight, No Chaser (Thelonious Monk) 17:05
菊地雅章(p), Gary Peacock(b), 富樫雅彦(perc)
Recording: 及川公生@新宿PIT INN 1994年3月29日

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昨年末に発売された発掘CDから2枚のアナログ盤が制作された。

Great 3/菊地雅章, Gary peacock, 富樫雅彦: Complete Sessions 1994[CD1] 完全な収録 - K’s Jazz Days

Great 3/菊地雅章, Gary peacock, 富樫雅彦: Complete Sessions 1994 (1994, Nadja21) [CD2-4] このアルバムが一番ではないだろうか - K’s Jazz Days

もとのCDで十分なのだけど、やはり気になる。菊地も富樫もレコード盤はほぼcomplete(ほぼ、なんだけど)。そっちの執着から。さすがのキング・インターナショナルで高価。クソっ。

これを聴くにあたり、針先をクリーニングし、接点復活剤でアームへの接続点を磨く。音が明瞭に蘇る。

上記CDと印象は変わらないが、針がトレースする様子が可聴音よりも低域で感じるなかでの、一音一音の響きは実に美しい。何回も書くが、ECMでの2作のような余分な残響が付加されない、アコースティックな美音が素晴らしい。菊地の打鍵を味わアルバム。勿論、ピーコックも素晴らしく、二人の対話を聴くアルバムなのだ。

富樫雅彦のパーカッションはオフ気味でやや残念ではあるが、アルバムの性質、バランスを考えると、これが正解のようにも思える。

素晴らしい音源。

[メーカー情報]

■昨年(2020年)ゲイリー・ピーコック(b)が逝去、全員が故人となりましたが、オリジナルリリースは1994年に「Aeolus」レーベルから発売された作品。オーディオメーカーのパイオニアが当時発売していた「HS-DAT プレーヤー」の販促の一環として企画されたアルバム。HS-DAT は倍速の96kHz のサンプリングレートで録音可能で高音質の録音、再生が可能。レコーディングエンジニアは一発どりで有名な及川公生氏。
■本作はオリジナル音源をHDD にトランスファーして大切に保存されていたマスターをキング関口台スタジオで最新リマスタリング。当時の素晴らしい演奏とサウンドが甦った。
■LP化にあたってはアナログレコード最盛期にドイツ、ノイマン社で製造されたカッティングシステムを使用。カッティングエンジニアは北村勝敏氏(MIXER'S LAB)。
■ライブ・セッション1994は、スタジオ録音の数日前にリハーサルを兼ねてピットインで収録された貴重な音源。「テネシー・ワルツ」「ストレート、ノー・チェイサー」の人気曲の他、菊地のヒット曲でもある「リトル・アビ」を収録している。張り詰めた緊張感が手に取るようにわかる名録音、名演奏である。

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