K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Great 3/菊地雅章, Gary peacock, 富樫雅彦: Complete Sessions 1994 (1994, Nadja21) [CD2-4] このアルバムが一番ではないだろうか

Great 3/菊地雅章, Gary peacock, 富樫雅彦: Complete Sessions 1994 (1994, Nadja21)
[CD2]
1.Moor 25:07
2.Carla 18:57
3.Little Abi 11:33
[CD3]
1.Nature Boy 26:13
2.Tennessee Waltz 09:19
3.Rambling 08:32
[CD4]
1.MC:Masabumi Kikuchi 01:05
2.Straight, No Chaser 17:05
3.Peace 11:59
4.Good-bye 05:26
Great 3: 菊地雅章 (p), Gary peacock (b), 富樫雅彦 (perc)
Recording engineer: 及川公生
Mastering engineer: 辻裕行
Recording: 1994 年3月29日新宿“ピットイン”

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CD1のスタジオ録音の前に行われたピットインでのライヴ。 

スタンダード集の体だった「ビギン・ザ・ビギン」セッションに対し、「テネシー・ワルツ」セッションはテーマをモチーフとしたフリー色が強い内容。CD1のスタジオと遜色が無い、いや僅かな残響を抱いたピアノの音は、こちらの音のほうが好みか。新旧どちらのピットインかよく分からないが、いずれもデッドな空間じゃないかな、と思うのだけど、そんなことを全く感じさせない、素晴らしい録音に溜息。気持ちのなかにある「レコード嗜好」を見事に壊していく。

 

菊地のピアノの美しさや間の鋭さを実に良く伝えている。電気・グルーヴ系ではコロンビアでのススト・セッション、アコウスティック系ではこのアルバムが一番ではないだろうか。遺作「黒いオルフェ」も素晴らしい演奏なのだけど、ECMの音響処理が台無し、にしている。このアルバムのような音響だったら、良かったのに。(youtube音源と比較すると、明らかにECMでの後処理)

触発、という観点では、菊地とピーコックの対話、のような時間が実に芳醇な印象を与える。富樫は一歩退いて、全体に鋭くも心地よいテンションを与えている、ように思える。スタジオ前のウォーム・アップのライヴだから、だろうか。昨年の「発掘モノ」のなかでは、紛れもなく一番じゃなかろうか。

発売元のキングレコードは、resonance・RSDの180g商売(エヴァンス、ロリンズ)で頭にきたが、これでチャラ。もともとの96kHzサンプリング音源も配信」されないだろうか。