K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bud Powell: The Artistry Of Bud Powell (1954) ただ弛緩したような印象なのだけど

The Artistry Of Bud Powell, プライマリ, 1/2
Bud Powell: The Artistry Of Bud Powell (1954, Norgran Records)
MG N-23
A1. Moonlight In Vermont
A2. Time Was
A3. Spring Is Here
B1. Buttercup
B2. Fantasy In Blue
B3. It Never Entered My Mind
B4. My Funny Valentine
Bud Powell(p), George Duvivier, Percy Heath(b), Art Taylor(ds)
Fine Sound, NYC, June 2-4, 1954
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10 inch盤の原盤が安価だったので入手。その後、12inchではBud Powell's Moodsと改題されている。そう、パウエルのムード音楽、なのだ。全体として、ゆったりとした曲でパウエルのピアニズムを愉しむようなアルバムになっている。1曲だけ、速弾きの曲があるがつまらない。

で、そのピアニズムが面白いかどうか、だけど、モンクのような深淵を覗き込むような深さはないし、諧謔・アヴァンな味もない。ただ弛緩したような印象ではあるのだけど、音そのものの美しさが実に楽しい。欧州での録音もそうだけど、速さへの呪縛から解き放たれたようなパウエルの、音響的な美しさ、それが醸す弛緩した空間に包まれていく、そんな聴き方。

モンクのパリでのソロ(Swing盤)でもそうなのだけど、この時期のアルバムで驚くのはピアノの音が美しいこと。盤面を爪で弾くと、コツコツと硬い音がするのだけど、そんな材料の違いによるのかな、この盤の音の美しさ。

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