K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: Explorations(1961) Complete BOXの音質に驚く

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米モノラル盤、米OJC盤、日ビクター盤、独OJC盤。

 

そもそも亡父が2枚持っていて、それにモノラル盤と独盤OJCを買い足した。アホみたいなのだけど、音の違いをゆっくり聴くのも楽しいだろう。

独盤に針を下ろすと、妙にエキセントリックな音、高音が歪むほど強調。あれあれと思ったが、盤が死んでたようで、3回目から綺麗な音に。モノラル盤と比べると音圧は低い。ドラムのブラシ音の太さはモノラル盤が良い。しかし楽器に音の輪郭は独盤の方が明瞭で、音空間のようなものが浮かぶ上がる。これもあり、という感じ。モノラル盤は解像度がやや低く、音が滲んでいるように思える。独盤では、古い写真を画像処理して明瞭になった、そんな感じなのだけど、音が若干痩せて補正臭にような感触が気になる。

米OJC盤は独盤とモノラル盤の中間。バランスが実に良い。これでいい、とも思える。確かにキープニューズ自身が係わったOJC云々でのリヴァーサイドの再発盤の良さ、はあるのだと思う。

日ビクター盤は少し古めのプレス(1974年)のようで、レーベルがMilestoneはご愛敬。音はOJCを柔らかくしたような日本盤の典型のような音。ボク自身は、あまり日本盤の味は好きでない。打音が濁るような印象があって。でもまあ許容範囲かな。酷くはない。

驚愕すべきは日本ビクターのcomplete riverside boxのside9-10の音。オリジナルに迫る音圧(ステレオなのに)と明瞭な音空間。楽器の音も実にくっきり。LP時代最末期の技術、OJCと同じようなre-masteringが施されているのだろう。中の記録に不満があって(セッション、メンバーのリストが分散し、さらに既発のレコード盤との関係の記載が無い)、聴く気がしなかったが、大いにアリ、の録音品質だった。

日ビクターのcomplete。

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