K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Denny Zeitlin: As Long As There's Music (1997) 2000年頃の個人状況とヴィーナス盤

Denny Zeitlin: As Long As There's Music (1997, Venus Records)
1. As Long As There's Music 5:11
2. They Can't Take That Away From Me 6:00
3. For Heaven's Sake 8:18
4. There And Back 8:01
5. I'm All Smiles 6:24
6. Cousin Mary 5:44
7. Triste 3:54
8. Canyon 6:39
9. I Fall In Love Too Easily 7:49
10. The Man I Love 8:56
Denny Zeitlin(p), Buster Williams(b), Al Foster(ds)
Producer – Tetsuo Hara, Todd Barkan
Recorded by Troy Halderson
Recorded at Clinton Studio "A" in N.Y. on December 5, 1997.
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2000年頃だったか、惰性で聴いていたジャズの慣性力も消え、何を聴こうか見えなくなった時期がある。雑誌とかも読まないし、インターネットもまだまだ、の頃。仕事帰りに大阪で覗くタワーレコードの棚、が殆どの情報源。視界不良になった。

そのとき、幾つかのガイド本を買ったのだけど、一番救われたのは村井さんの文章。過去のアルバムのコンテクストのようなものを再定義し、これから聴くべき音楽が薄ら見えたような、感じだった。(でもあんまりきちんと聴けていなかったから、2000年過ぎに聴いたMotianバンドの面白さ、はナマじゃ分からなかったなあ)

困惑したのは、MUNKだったか何だったか(忘れた)。欧州盤が殆どで、注目盤に米国がない。ぼーっとしているうちに米国のジャズが死んだかと思った。ヘンだよね。

中央線沿線のジャズ酒場の店主の本を読んで、ヴィーナスを推奨していたので、聴いてみたが数枚でギヴアップ。化学調味料が濃い、場末の中華の味だった。スタンリー・カウェルだったかな、スティーヴ・キューンだったか、本当に不味かったな。

そのとき買った一連のアルバムのなかで、例外はコレ。デニー・ザイトリンのピアノトリオ。勿論、売れ線ピアノ・トリオではあると思うのだが、そんな臭いもなく、淡麗の味。疲れたときには良い。

バスター・ウィリアムスもハービーのアルバム以来じゃなかったかな、聴くのは。控えめだけど低音でぐいっと来る感じは、ジュリ・アレンとのトリオで知って、ずっと気になっている。

アル・フォスターはマイルスの復帰バンド以来。手堅いなあ。

ザイトリンも60年代の新進気鋭の勢い、が一番良いのだけど、こんな枯れ方も悪くないなあ、と思わせる良盤だと思う。

ジャケットもあざといヴィーナスのなかでは、まあ許せるような、である。

音楽がある限り

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