K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Stefano Bollani: Les fleurs bleues

Stefano Bollani: Les fleurs bleues (Label Bleu)
Stefano Bollani(p), Scott Colley(b), Clarence Penn(ds)
2001年

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先週、お茶の水でEnrico RavaやStefano BollaniのCDを3枚掴んできた。

そのなかのBarbara Casiniの唄声に魅了されて、緊急イタリアジャズ週間状態。

しかし残りの2枚,Rava plays Rava(期待のEnrico RavaとStefano Bollaniのデュオ、2001年)とStefano BollaniトリオのGleda(2004年)については、確かに「悪くない」のだけど、期待に届いていない。少し「がっかり」なのだ。期待値が高かったこともあるけど、Stefano Bollaniの奔放で、華麗で、綺麗で、お茶目なピアノが聴こえてこないから。イタリアジャズ芸人魂がみえなくて、ちょっとゲイジュツ臭が少し。
Gledaも決して悪い感じではない。だけど、Songs From Scandinaviaというだけあって、静謐な曲調が多く、あえてBollaniで聴く必要もないかなあ、という1枚なのだ。静謐向けのピアニストは、澤野商会系レーベルに1ダース以上はいるから。

Gledaでも、そこそこピアノは鳴っているから、余計欲求不満になってしまった。急いでAmazonで追加注文。とっさのEicher頼みのクセでECM。Stone in the Waterを注文した。あわせて、RavaとのNew York Days、やTha third manも。だけどクリックの後で胸騒ぎ。ECMも静謐系であって、お茶目なラテン味は薄い。しまった!

ネットの力は偉大で、そんなボクの悩みをイタリアモノの先輩H松さんに解いて頂いた。H松先輩のご神託はLabel Bleuレーベル。Bollaniは同レーベルの第一作Les fleurs bleues。Rava/Bollaniは同レーベルでのモントルーライブ。聴きたい症候群が募っていたボクは、これらのアルバムがiTunesストアで安価にあることを見つけて、これまたクリック。昨夜のこと。

結果は大満足。狙い・期待とおり。奔放で、華麗で、綺麗で、お茶目なBollaniのピアノが2つのアルバムから流れている。

Les fleurs bleuesでは、ソロありトリオあり、唄まで歌っちゃうはしゃぎぶり。一曲目のソロは左手の打鍵の強さ・響きが魅力的で、バルトークの音を彷彿とさせるジャズ。このBollaniの魅力を凝縮している。次のトリオの演奏は、緊張が解けたリラックスしたものだけど、気味よく盛り上がり、粒度良好な音が流れていく様が、とても楽しい。

そんな訳で、ボクのまわりでは緊急購入した2つのアルバムとBarbara Casiniのアルバムが無限連鎖で鳴っている。こんな幸せ感たっぷりにジャズを聴いたのは本当に久し振り。ほんとうに秋らしい空や風のなかを歩いているときも、Rava/Bollaniが奏でるLe solite coseのフレーズが一緒に流れていく感じ。音楽を聴いていると、こんなときがタマにあるから、止められないと、妙に納得している。今週は良い週の終わりを迎えそうだなあ。

それにしても仏Label Bleu恐るべし。きちんとチェックしなくてはいけないなあ。
それにイタリアのジャズも。分かっている方々は随分前からチェックされていたようだし。ほんとうに奥手な秋の出会いになってしまった。