K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

バンコク・Sukhumvit  通りの景色


もう何回、バンコクには出かけたのだろうか?そろそろ20回近くかもしれない。すべてが仕事あるいは仕事のような用事で出かけているので4泊以上滞在したことがない。大半が2泊。多くが夜行便(往路か復路のいずれか)+2泊の組み合わせ、すなわち格安チケットとかPEX料金の最短滞在日数。だから一度はOFFでゆっくりとお寺を巡ったり、アユタヤからバンコクまで船に乗ったり、あるいはチェンライとかチェンマイのような雲南に近い北部山岳地帯に行ったりしたい、と思っているのだけど、ついぞ実現していない。その割には、ただ通りを歩いているだけで、次第に自分のなかの時間の流れが変わっていくことが分かったり、子供の頃、そう昭和40年代の日本にスリップする感覚があったり、なんとなく他愛のないことをぼんやり考えたりして、ふらふらとしていることが好きなのだ。

いい加減な思考を巡らせて散歩しているうちに、ふいに夕暮れになって逆光のかなに少数民族の衣装をまとって蛙のような音を出す楽器?を鳴らしている男が浮かんだり、疲れて路端でビールを呑んでいると象が鼻を伸ばしてきたり(象使いが餌売り商売をやっている)、手首から先がない「いざり」(日本では死語ですね)が車のついた板に乗って物乞いをしていたり、オカマに声をかけられたり、そんな光景が穏やかに流れていく。

今回の滞在も夜行便+2泊。さすがに疲れた。この3年程取り組んでいる日泰交流行事の打ち合わせ。例のバンコクの騒乱で渡航が中断し、一年ぶりのバンコク。久しぶりで、なんとなく懐かしい。

ボクが滞在しているのは、4年前の最初の渡航(前職の仕事)のときに、現地の工場の方が予約してくれたSukhumvit soi11(スクムヴィットの11番通)。この地域は通りで主役が変わる。soi11はインド人(印僑)の通りで、あとは欧米人が多い。日本人は少ない。soiが一桁になるとアラブ人が多く水タバコの店なんかもある。日本人は20番台以上に多い。soi11はあまり日本人がいないこともあって、旅気分にトバスには都合が良くて、以降、ここに滞在している。ホテルの近所のバーで路地風にあたりながら呑むビールが大好き。それだけのことなのだけどね。結局のところ。


スクムヴィットの通りの光景。アソークからナナにかけては沢山の露天が出る。男も女もオカマ(本当)も商売。昼間は雑貨や果物、夜半過ぎから食べ物の屋台に切り替わる。明け方まで賑やか。ボクはA型肝炎の予防接種を受けていないので、屋台では食べない。だけど蒸せかえるような食の匂いがボクのなかの活気を呼び起こす部分がある。


東西に伸びるスクムヴィットの通りを魚の背骨とするならば、南北に張り出すSoiは肋骨。北は奇数。南は偶数。Soi11-1は11番通りから別れた枝。インド人経営のテイラーやレストランが並ぶ。あと足マッサージで定評がある「バイポー」もある。1時間足をモンでもらって250バーツ(750円)だったかな。


ボクが滞在しているsoi11。良く呑みに行くのはヒラリーズバー。路地風にあたりながらビールを呑む。1AMまでの営業の筈なんだけど、客と気分で2から3AMくらいまでやっている。一昨年くらいから「屋台のバー」が急に増えていて、吝嗇の欧米人で賑わっている。煩いこと煩いこと。アセチレンの灯なんて、昔の江ノ島の袂の屋台(昨年行ったら、もうなかった)以来なのだけど、ほんのりとした臭い灯のもとに鮮魚が並ぶ屋台には驚いた。


こんなどうでも良いことを眺めながら、ごく狭い範囲を回遊する滞在って、なんだか無気力のような気もするのだけど、気力を出す場でもないので、まあいいかあと思っているのです。とは云え、金澤からのアクセスは随分遠くて、大阪とか神奈川に住んでいたときのパリ便とかシカゴ便並の時間と疲れ方がまあ何とかならないかなあ、ならないよなあ,とぶつぶつ。ふう。