毎年恒例なのだけど、1月の米国出張にやって来た。いつも僅か現地三泊。昨年はフェニックス、今年はサンタ・クララ。サンフランシスコの南のベイ・エリア。去年も今年もダウン・タウンではなくて、郊外のホテルで会議。レンタカーで移動していないので、缶詰。サイコーに詰まらない出張。困ったものだ。
今回は、仕事場を金曜13時過ぎに出て、サンフランシスコについたのが13時間後の午前2時すぎ(現地時間は午前9時すぎ)。入国審査で時間がかかって11時には外に出た。前職だったら、ここでタクシーを拾って南に向かう。$150位だろうか。今はつつましやかに生きているので、それができない。そもそもフライトや滞在費も出張先の負担をアテにしている。
困ったことに、乗ろうと思っていたシャトル・バンがうまく見つからない。仕方がないので、鉄道乗り継ぎ(BARTからCaltrain)でサンタ・クララに向かった。まあ乗り継ぎが悪く、caltrainも昼間は1本/時間なので不便。それでも1時間の列車の旅は楽しいもので、車窓をみながらうとうとしているうちにサンタ・クララに着いた。シリコンバレーの真ん中にやって来た。ホテルに着いたのは現地時間の15時頃。door to doorで20時間近くもかかった。西海岸とは云え、金澤からだと東海岸並の時間がかかるのが辛いところ。
サンタ・クララの駅はなんとなく味わいがあって、西部の果てにいるなあと、しみじみしてしまった。そう、ボクはアメリカのwestendに居るのだ。ここから先は海、なのだ。そう思ったヤンキー達はメキシコからカルフォルニアを奪った後、船に乗って更なる西へ鯨を追いかけて乗り出した。そのシナリオの延長線に、ハワイの占有があり、フィリピンの奪取があり、日本の開国がある。そんなことを、ぼんやり考えていた。さすがは鉄道で、ここまで$10.75(BARTが$4、caltrain:$6.45)。
それにしてもベイエリアはとても久しぶり。パロ・アルトには仕事で何回も行ったけど、15年位昔。懐かしい感じ。日中は10℃を超えていて、湿度も低く爽やか。このあたりの空気はLAあたりと違って不思議な香りが漂っていて、とても気持ち良い。何となく好きなエリア。今回も何とはなく心地良い。だからホテルの窓を開いて大気を入れて、ゆったりと過ごしていたいのだけどね。
あとは寝たり、ビールを吞んだり。夜中のバーで、旧知のドイツ人達と会ったので愉快に吞むことができた。アメリカ人のように早寝しないし、アルコールは沢山吞むし、なんとなく彼らとはウマが会いやすい。例によって、ルカーチのGeschichte und Klassenbewußtseinを読んだ話しをして、大笑いをしたのだ。