名古屋の朝を眺めながらiPODで聴いているのは、Weather Reportの Live & Unreleased。旅先で本やレコード、CDを買うのは重たくて馬鹿げているのだけど、ボクにとってはとても楽しい。今も小さなトランクのなかには、御茶の水で買ったLP、CD、書籍がそれなりの重量を主張している。このアルバムは発売直後にダラス郊外のCD屋で買ったもの。当時は当地のメーカと一緒に仕事をしていたので、年何回もダラスへ行っていた。夕飯に行く途中にそんな店を見かけたのだ。珍しいものはなかったけど、中古CDが安かったので良く行った。
たまたま見たWRコーナに見慣れないアルバム、そして新品だったので驚いて買った。30年前は彼らのアルバムの発売を心待ちにしていた。最初は海賊盤だと思ったのだけど、コロンビアからの発売。驚いたね。正規のアルバムで全く物足りないので、海賊盤もそれなりに買っていたからね。ショーターとザヴィヌルによってプロデュースされた正規のライヴ盤が出てくるとは全く思わなかった。ザヴィヌルが亡くなった今、天からの恵みのようなオトたち。
このアルバムを早速ダラスのホテルで聴いた。驚いたのは、海賊盤と比べて音質がいいのは勿論なのだけど、曲の出来が圧倒的にいい。全く飽きない。逆に云うと、良質の編集が入っているのではないか。海賊盤で聴くWRはなんとなくソロが冗長で、ゆるゆるした印象は拭えない。なんとなくダルくて飽きてくるのだ(同じ事は70年代マイルスのライヴにも感じる。未発表音源BOXのダルいこと)。
だからショーターとザヴィヌルの編集がしっかり入った(多分)音には無駄がなく、また様々な彩りの曲が緩急自在に並べられているので楽しい。気がつくと、オリジナル・アルバムより聴く頻度がとても高い。実際のところ、WRの音楽って経年劣化があって、当時同じように流行ったハービー・ハンコックのファンクと比べて、古くささは否めないのだ。編曲偏重だからね。当時はワクワク聴いていたのだけどね。だから、きっちり編集されたライヴ録音で聴くと、奏者の力量をしっかり受け止めることが出来て、そんな経年劣化を感じさせない。
もうひとつ気がついたのは、1975年のAlphonso Johnsonが入ったバンドの良さ。しっかりグルーヴしていて、今でも十分聴くことができる楽しい。冒頭のスピード溢れる演奏もそう。何となくジャコの方に注目が行くのだけど、耳にタコ・フレーズなのは否めない。ヴィトウス時代とジャコ時代の中間で見落とし勝ちなのだけど、いいぞ、と思った。youtubeの画像もそう。聴いてみて。
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Weather Report: Live & Unreleased (1975-83, Columbia)
Disc-1
1. Freezing Fire (1975) Shorter
2. Plaza Real (1983) Shorter
3. Fast City (1980) Zawinul
4. Portrait of Tracy (1977) Pastorius
5. Elegant People (1977) Shorter
6. Cucumber Slumber (1975) Johnson/Zawinul
7. Teen Town (1977) Pastorius
8. Man in the Green Shirt (1975) Zawinul
Disc-2
1. Black Market (1977) Zawinul 9:26
2. Where the Moon Goes (1983) O'Byrne/Zawinul
3. River People (1978) Pastorius
4. Two Lines (1983) Zawinul
5. Cigano (1975) Shorter
6. In a Silent Way/Waterfall (1978) Zawinul
7. Night Passage (1980) Zawinul
8. Port of Entry (1980) Shorter
9. Rumba Mama (1977) Acuna/Badrena
10. Directions/Dr. Honoris Causa (1975) Zawinul
Joe Zawinul (Key), Wayne Shorter (ts,ss)
1975: Alphonso Johnson (b), Chester Thompson (ds),Alex Acuna (ds,perc)
1977: Jaco Pastorius (b), Alex Acuna (ds,perc), Manolo Badrena (pec)
1978-80: Jaco Pastorius (b), Peter Erskine (ds), Robert Thomas, Jr. (perc)
1983:Victor Bailey (Eb), Omar Hakim (ds), Jose Rossy(perc)