K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Michiel Borstlap: 88(2012) 尖りは削れたけど気持ち良さは


 このCDもNik BärtschのStoaと同じく、今週はじめにディスク・ユニオンで購入したもの。 ボクが2000円以上出して、CDを買うなんて久しぶりの事。この記事を見て、とても気になっていたのだ。ボルストラップは変態ドラマー(褒め言葉)・ベニンクのアルバム2枚ですっかり気に入ったのだけど、アルバムごとに色の変わり方が大きくて、最近は手を出していなかった。なんとなく、ボルストラップが気に入ったのではなく、ベニンクの色に染まったピアノが気に入ったような感覚があったから。

 そんなことで久々のボルストラップだったのだけど、全体としては楽しく聴く事ができた。期待と全く違ったのだけど。やはりベニンクとの共演盤はベニンクの色が強いのだ。ミシャを饒舌にしたような、モンクのような砕けた音の断面が万華鏡のような色彩を放っているような、ボルストラップを聴く事はできなかったのだけど。参考にした記事のように、ハンコック風の直球のジャズであり、また電気ピアノで叩き出されるグルーヴ感もなかなかのもの。気軽に聴くと、適度のドライヴ感、グルーヴ感があって楽しい。ベース・ドラムは淡々と刻む感じで、あまり印象がないのだけど、それがアルバムとしての印象の淡さにつながっているような気がする。それもまた良しなのだけど。

 物足りない感じがあるのは、多分、ベニンクのアクの強さに快感を感じてしまったからなんだろうな。

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Michiel Borstlap: 88(2012,Challenge)
   1. Cherish Your Sunshine
   2. Lexington
   3. Memory Of Enchantment*
   4. Third Plane
   5. You Know I Do
   6. Live DJ
   7. TZ
   8. Joe’s Will
   9. Just One Of Those Things
Michiel Borstlap(p,el-p), Boudewijn Lucas(b),Erik Kooger(ds),
* Ruud Breuls(tp), Jerome Hol(g)