K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Duke Pearson: Angel Eyes (1961-62)わりと今時のジャズが好きなのだけど


 わりと今時のジャズが好きで、と云っても1979年頃から、そんな感覚で聴いている。だから一貫してアイヒャーのECMなんかはストライクで中心。30年以上、その時々の新しいものが好きだったような気がする。勿論、お勉強的な聴き方をしていた最初の数年間でモダン・ジャズの基本的なアルバムは揃えたのだけど。

 わりと今時のジャズが好きなのだけど、気がつくと、ジャズ(だけじゃないけど)の在り様が年月の流れとあまり関係がなくなってきた。年月の流れが音楽スタイルに与える影響が僅少になってきた。だから、今時のジャズって定義が死滅しつつあるような感覚がある。聴きたいジャズとそうじゃないジャズがあるだけ、のような。

 だから新しい音楽への驚き、というのが、かつては新譜に集中していたのだけど、今となっては「聴いていない音楽」のなかに拡散していっているような気がする。故に、過去の音楽に対しても「平等に」好奇心が働くようになってきた。そんな訳で、ボクの興味もとても拡散している日々なのだ。

 そんな中、最近気になっている奏者(アレンジャー)はデューク・ピアソン。その名前は知っていたけど、聴いていなかった。1970年前後のドナルド・バードの諸作、自身の1970年代前半のBlue Noteでの諸作ですっかり魅了された。そんな訳で1960年代のものにも手が伸びた。それが本作。小気味良くドライヴし、良く唄う趣味の良い圭作。

 B面を聴いて驚いた。はじめて聴く曲ではない。Jeannine。デューク・ピアソンのオリジナル曲。何だろうか。トシをとると、そこが辛い。

2日ばかり頭を悩まし、ふっと思い出した。1985年頃、中野サンプラザでのマンハッタン・トランスファーの来日公演でカヴァーされた曲。懐かしい。

これはヴィデオになっているので知っている方は多いと思う。ヴォーカリーズの魅力に溢れている。

 レコード盤1枚からいろいろなことを思い出してしまった。中野サンプラザへ一緒に行った、横浜本牧ジャズ祭の友人達は元気だろうか。30年近い月日が隔てた時間が隣に寄り添った。

 ついでにドナルド・バードも。

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Duke Pearson: Angel Eyes(1961-62,Polydor)
A1. Bag’s Groove
A2. Le Carrousel
A3. Angel Eyes[*]
A4. I’m An Old Cow Hand
B1. Jeannine
B2. Say You’re Mine
B3. Exodus
Duke Pearson(p), Thomas Howard(b), Lex Humphries(ds)
[*]Bob Cranshaw(b), Walter Perkins(ds)