K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

お茶の水「GRAUERS」Riverside完全コレクションの店で聴くブルーノート復刻盤

 前から気になっている店がお茶の水にあった。Riversideのオリジナル盤の完全コレクションを保有しているコレクターが経営している店、と。しかし、お茶の水に出かけたときは、いつもレコードで頭が一杯。だから、そのときには思い出さなくて、行く機会がなかった。

 先日、金沢出身のK君とディスク・ユニオンTokyo Jazzで落ち合い、何枚かレコードを手にした後、急に思い出して行くことにした。ディスク・ユニオンでエヴァンスのExplorations・オリジナルを入手して、何か憑きものが墜ちたから、平常心で思い出したのかもしれない。他の音響装置でエヴァンスのRiverside盤を聴きたくなった。

 場所はディスク・ユニオンTokyo Jazzから駿河台の坂を下り、明治大学を過ぎ、駿河台下の手前を右斜めに切る通り、の右側のビル2階。ドアを開くと、ジャズ・バアともジャズ喫茶の中間くらい、割と好みの空間が広がった。

 何だかイヴェント準備中のところに紛れ込んだような気がしたら、ディスクユニオンの「ブルーノート復刻盤試聴会」の準備中。まあ面白そうなので参加することにした。

 Riverside完全コレクションの店で聴くブルーノート復刻盤、というのも何だかなのだけど。

 

 

 ティナ・ブルック、リー・モガン、ソニー・クラーク(例のアルバムの残りテイク、右下の写真、脚が反対向きのアルバム。洒落気たっぷり!)、ウェイン・ショーターなどなど。ジャケットは勿論、インナーまでマニア的なこだわりで作られていることに脱帽。気がついたのは、50年代のブルーノートのくぐもったようなピアノの音。K君ともに、ブルーノートは管のレーベルだなあ、と感じ入った次第。演奏的には60年代のショーターのアルバムが一番ぴたっときた。ハンコックのピアノの音もOK。実はショーターのアルバムには「おまけ」があって、最新作から2曲をシングル・カットしたもの。「おまけ」に釣られて、普段は買わない「豪華復刻盤」を入手。

 イヴェント後にディスクユニオンtokyo jazz店長の方と話をしたのだけど、ブルーノートの原音追求はしなかったとのこと。高音・低音を現代らしく伸ばして、中音過多にはしていない、と。確かに、視聴したレコードは中音域の力が弱いと想ったのだけど、彼の話は「相対論」で音の周波数レンジを広げると、中音域が凹んだような印象だとか。ふむふむ。

 そんな訳でRiversideの音を聴く機会がなかったGRAUERSだけど、また行くことにした。多分、かなりの快適空間だろうな、って思う。またお茶の水に行きたくなった。