K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

昨日届いたLPレコード

この2枚に共通点がある。1970年頃のゲーリー・ピーコック在日時の吹き込み。菊地雅章さんとのセッション「銀界」と「ポエジー」の素晴らしさ、に魅入られた。彼らの協調・競調から浮かび上がる音、のみならず、彼のベースの力強さ、も香しい。で、レコードに手が出ている。アイラーとのSpiritual Unity的な強度で様々なフィルムに向かうピーコックは魅力的なのだ。その他に渡辺貞夫さんとのアルバムも持っているのだけど、更に2枚追加。いずれも来日時のマルとデジョネットとの吹き込み。マル盤には定番の村上寛、デジョネット盤には、モウピン(!)と市川秀男が参加。

 マル盤は録音がいい。音圧が強く、日本のレコードじゃないみたい。ビクター凄いな。ピアノとベースにぴたっと焦点があたっている。村上さんのドラムはオフ気味だけど、バランスが丁度いい。銀界やポエジーの菊地さんをマルに変えた趣で、素晴らしい。冒頭からズイズイ惹き込まれる。1970年代初頭の弾き手、聴き手の好みそのものなのだろうな。

 デジョネットのアルバムでのピーコックはややオフ気味、残念。いい感じなのだけど。デジョネットの初期のアルバムは無理に観念的な印象があって苦手なのだけど、冒頭の曲もそうだなあ。2曲目でベースが強まって、市川さんのローズもいい。こんな感じだと、いいアルバムなのに、と思ったらデジョネットがオフ気味! デジョネットはECMのアルバム群で聴け、じゃなかろうか。それにしてもデジョネット盤は音圧が低いなあ。どうしたんだろCBSソニー

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 昨日届いたのはオークションで入手したもの。最近は手控えているのだけど、まとまっていいアルバムが入手できそうだと、手が出る。感じるのは、大概は高めの価格設定で買う気がしない。気長にディスクユニオンあたりで出物を待てばいい、と思う。ECMの西独盤に3000円以上、ときに1万円台をつける強者がいるが、驚いてしまう。

 2月はスキー、3月からは渓流釣り。次第に音聴きは意識から低下していく(という希望的観測がある)ので、まあ今はもう少しレコードとまみれて、と思っている。

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 キューンのBYG盤。1960年代なのだけ、今と変わらぬ感じ。やや硬質な感じで、かなり快感度は高い。スワローとラロッカ、といのも嬉しい。ラロッカとキューンをSweet Baisilで聴いたなあ、と昔を思い出す。これはH松さんのススメ。彼の趣味はけっこうover lappingするので、いつも気になる。apple musicで試聴。良かったので入手。どうも原盤は入手困難と判断して、日本盤。音質はまあ大丈夫。東宝レコードって、懐かしい。昔、コルトレーンのBYG盤も東宝だった、と思い出した。きらめきを閃光のように飛ばしながら、ドライヴするときのワクワク・ゾクゾク感が素晴らしい。やはり、いい。音のゴージャス感(あまり使いたい表現じゃないが、そうとしか書けない)が半端じゃなくて、やはり、このヒトの技術・器用さはすごいなあ、と唸った。もう少し、聴きたくなった。
 バレルのDENON(ボクはデンオンと云うべき、と思うがどうなのだろうか)盤。結構、録音がいいので、この時期のDENON盤に手が出る。バレルはシェップ盤で聴いて、すっかり好きなピアニストになったのだけど、彼名義のアルバムはピンとこない。観念が空転する感じがデジョネット名義のアルバムと通じる。いい感じでピアノを響かせながらドライヴするのが魅力なのだ。で、このアルバムは水橋孝との共演。それも期待。聴くと録音がいい。やや高音が丸いのは日本盤の特徴なので仕方ない。そこは十分我慢できる。全般的には名曲集の趣で、微妙に外しているかな。いいアルバムだけど、「あの」ドライヴ感はないなあ。残念。でも愛聴盤には、なるかも。
 後藤芳子さんのアルバムをはじめて入手。後年の「ビコーズ」が富樫雅彦さんとのアルバムで、手頃な価格だったら入手、と思っている。こちらは佐藤允彦、杉本喜代志の名前が気になって入手。まあ1970年頃の音楽シーンを彷彿させるポップな仕上がり(オーケストラ入り、ビートルズカーペンターズ要素ありあり)なのだけど、佐藤さんの才覚(だと思う)で案外古びていない。ポップ場面とジャズ場面を適当に切り貼りする編曲が面白い。ジャズ局面は、かなりイイ。後藤さんのデビュー盤だけど、この時点で楽歴18年! 45年前のこと。まだご存命なのだけど、おいくつなのだろうか。
 最後の一枚は「日本盤」だけのECM。マルのビクター盤。アルバムを見ると、Tonstudio録音、アイヒャープロデュース。まさにECM。Free at Lastの4ヶ月後、らしい。今、聴いているが、日本盤「固有」の高音が丸い感じが残念だけど、確かにECMのアルバム的な味はある。これは別途、アップしなくちゃ、である。