K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM1059) Arild Andersen: Clouds In My Head (1975)ジャズで味付けをした欧州の音、のような感覚

  久しぶりにECMに還ってきた。かなり菊地さんにハマっているから、少し手薄。また仕事が年度末で多忙、また移動が多く、LPレコード聴きはなかなか進まない、のだ。

 1975年までコマが進んだ。もう安定したECM。録音もECMそのものなのだけど、今と比べると残響感は控えめ。楽器ひとつひとつが清聴であり、ドイツの音だなあ、と思わせる。どの曲も行き届いた造りになっていて、フォーマットのジャズと裏腹に、あまりインプヴィゼーションの妙、のようなものは感じない。まさに現代ジャズと呼ばれている音、に近い。このアルバムの4年後くらいからECMを聴きはじめているが、当時の「主流派ジャズ」と随分違うなあ、と思ったものだ。そう21世紀の音を1/4世紀前からやっている、ような感じ。

 で、このアルバムが好みか、というと微妙な感じがある。ヴェーバーのような「ある世界観」のもとでの音、という感じではなくて、ジャズで味付けをした欧州の音、のような感覚があって、なんとなく素直に入ってこない。ジャズの側面を強く出す瞬間はうまく聴かせるのだけど、何だろうね。編曲に頭をヒネっている様子が伝わってしまうからかなあ。

 この感じが上手く文章にできなくて、書きはじめててから投稿まで数日かかってしまった。

追記:Knut Riisnaesは、このあいだ、もっきりやで聴いた。伝統的な奏者、ってイメージ。ECMには合わないかなあ、という印象だった。

youtu.be

参考記事:


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[ECM1059] Arild Andersen: Clouds In My Head (1975)
A1. 305 W 18 St (Arild Andersen) 3:49
A2. Last Song (Arild Andersen) 3:09
A3. Outhouse (Arild Andersen) 7:49
A4. Song For A Sad Day (Arild Andersen) 7:02
B1. Clouds In My Head (Arild Andersen) 3:26
B2. Cycles (Arild Andersen) 6:14
B3a. Siv (Arild Andersen) 3:34
B3b. The Sword Under His Wings (Arild Andersen) 9:44
Arild Andersen(b), Knut Riisnaes(ts, ss, fl), Jon Balke(p), Pål Thowsen(ds)
Design [Cover Design]: Niels Hartmann
Layout: B & B Wojirsch
Photograph: Kåre Eide
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Producer: Manfred Eicher
Released:1975
Recorded February 1975 at Arne Bendiksen Studio, Oslo