1年経って聴き直したが、印象は変わっていない。
ECM1061、ECM1062の前哨戦になっている、ことがわかった。メンバーはヴェーバーやクリステンセンだけど、ECMらしいビートの在り方、が冒頭からキマっていて、ECM1061、ECM1062への太いつながりを感じた。
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2015-01-29記事: 初期ECM連続聴きは疲れたので
初期ECM連続聴きは疲れたので、届いたばかりのレコードを。番号飛ばし。
針を置いた瞬間、あの鉄壁のECMの音が溢れでた。左にヴェーバーのベース、右にガルバレクの管楽器。その間にタウナーのギターとクリステンセンの打楽器。奏者の息遣いまで伝わるような音世界が眼の前に広がる。ほっとした。1969年の設立から、チックのソロまでの2年弱の間にそれを作り上げ、ゆっくり変容を続けながらも一貫した音世界を提供している。素晴らしい。
このアルバムで意外感があったのは、クリステンセンの刻むビートが案外激しいこと。録音は抑制的ではあるが、ヴェーバー、タウナーの弦奏者の静的な音と、ガルバレク、クリステンセンの押し上げるような動的な音、それらが紡ぎ上げる滑らかに変わり続ける音、全く飽きさせない。B面では奏者を限った組み合わせの妙、のようなものも聴けて、静的な音楽との先入観があるタウナーの多様性を楽しませてくれる。1枚のアルバムだけど、とても柔軟でロックに近いビートまで幅広い。
ボクが大好物である「1970年代のECM」の典型的な世界。全く40年という時間の劣化を受けない音楽、なのだ。
参考記事:
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[ECM1060] Ralph Towner: Solstice (1974, ECM)
A1. Oceanus
A2. Visitation
A3. Drifting Petals
B1. Nimbus
B2. Winter Solstice
B3. Piscean Dance
B4. Red And Black
B5. Sand
Ralph Towner(12-string g, classical g, p), Jan Garbarek(ts,ss,fl), Eberhard Weber(b、cello), Jon Christensen(ds, perc)
Cover Design: Dieter Bonhorst
Photography: Rainer Kiedrowski,
Engineer: Jan Erik Kongshaug
(cover), Andreas Raggenbass, Gabi Winter, Jochen Monch(Liner)
Producer: Manfred Eicher
Recorded December 1974 at Arne Bendiksen Studio, Oslo
Rerease: 1975