K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

和田直: Blues World (1974) 植松孝夫のテナー

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TBMは気になるレーベルだったので、レコード屋の店頭で値頃なものを見つけたら、適当に買うような集め方。沢山はないけど、少なくはない、手元にあるのは。そんな買い方の弊はレコード一枚一枚への思いが薄いので、ある枚数限度を超えると、二枚目を買っう羽目に陥る難点がある。まさにその限度、に来たのだ、TBMが。

ココズ・ブルースが気に入って、さて次と思ったが、棚をチェック。TBMのところには無かったが、買いっぱなしの溜まり場からコレともう一枚和田直が出てきた。アブナイ、アブナイ。

このレコードは後年のプレス(1995年)で180g。少なくともTBMが関与していた時期については、あまりプレスは気にしていなかった。しかしトリオレコード発売のものが、空気感が少し抑え気味になっていて(ECMのトリオ盤と同じ)、少し気になった。これからもう少し気をつけようかな、と思っているところ。このアルバムは素晴らしい音質で、何ら問題ない。初期のプレスはものによっては高額なので、このクラスならば後年のプレスでもいいかなあ、と思っている。

このアルバムはギター、オルガン、ベース、ドラムのカルテットに、B面は植松孝夫のテナーが入る。A面のカルテットもリラックスした楽しい演奏なのだけど、やはり、B面のテナーが印象的。今まで植松孝夫のテナーがなぜ好きなのか、あまり考えていなかったが、太い音そのもの、じゃないかなあ、と思う。そして、太いのだけど、それが過度には泥臭くならず、スマートになり過ぎず、何となく微妙なバランスがボクのツボに入っているのだと思う。そして、そんなところが日本の奏者だなあ、と思わせる。

TBMの良さ、って、こんな感じの好盤にあるように思えている。

 

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 (TBM25) 和田直: Blues World (1974)
A1. Now See How You Are (Pettiford-Harris)10:06
A2. Falling In Love With Love (Richard Rodgers) 4:21
A3. Blues For Charlie Christian (S. Wada) 4:23
B Blues World (S. Wada) 19:27
和田直(g), 酒井潮(org), 古野光昭(b), 倉田在秀(ds), 植松孝夫(ts on B)
Engineer: 神成芳彦志(アオイ)
Producer: 藤井武
Recorded at Aoi Studio, Tokyo on March 25, 1974.
Re-Cutting done by JVC Mastering Center on November 14, 1995
Pressing done by RTI

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