K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994) 距離の伸縮

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最近、このアルバムの存在を知って、入手。ミシャがこの世から去って、遅すぎる個人的なブーム。

ピアノとドラムとのデュオというと、真っ先にハンとのデュオを想起する訳なのだけど、その違いが面白いアルバム。

ICPの2人はとてもリラックスした雰囲気のなかで、リズムと、リズムからの逸脱のなかで、その切り替わりの瞬間の快感を大いに喚起する。だから、2人の方向性のようなものが、双子のように一致している印象がある。

この豊住とのデュオは違う。他のアルバムより硬質で険しいピアノを叩くミシャ、パルスを繰り出す豊住が、併走する感じ。その2人が交叉するのか、その感覚が緊張を与える。そして、セッションのなかで交叉した瞬間、安堵感が流れる、そんな感じ。

ぼおっと、子供の頃見た猪木・アリの異種間格闘技を思い出した。2人は距離をとりながら、時折、交叉する。殆どは間合いをとる、そのような場、に退屈した。

このアルバムでも、2人は間合いをとっており、距離感を感じさせる。その距離の伸縮が面白味を与えている、ように思えた。


  

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Misha Mengelberg, 豊住芳三郎: 逍遥遊 (1994, Chap Chap Music)
1.行く川の流れは絶えずして
2.The Laugh Is Important
Misha Mengelberg(p), 豊住芳三郎(ds)
1994年10月6日, 防府市「カフェ・アモーレス