K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

阿部薫, 豊住芳三郎:Overhang-Party (1978) 音の美しさを

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阿部薫, 豊住芳三郎:Overhang-Party (1978, ALM Records)
A. Improvisation 4--August 5 (28:10)
B1. Improvisation 2--August 5 (12:09)
B2. Improvisation 3--August 5 (11:33)
C. Improvisation 1--August 5 (28:06)
D. Improvisation 1--August 13 (24:27)
阿部薫(alto cl on A, g on B1, harmonica0n B2, p on B2, C, marimba on C, as on D), 豊住芳三郎(ds)
Recorded live by Yukio Kojima at Raoya, August 5, 1978, except CD, at Goodman, August 13, 1978.

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ディスクユニオンで見かけて、小躍りして購入したレコード。これで(本当の幻的レア盤である)解体的交換以外の レコードが揃った、と思った。実は、これは誤解で同名のOverhang party (QBICO)の名前で出たアルバムは騒でのライヴで、別の演奏のようだ、やれやれ。

 このアルバムでの阿部はA面でクラリネット、D面でアルトサックス。それ以外はギター、ハーモニカ、ピアノ。彼の管を聴きたい、という点では不満があるが、ギターなんかがディレク・ベイリーっぽいのは微笑ましい。それなりに聴き所、あり。豊住のドラムの空間構成力、細かく繰り出されるパルス、素晴らしい。音階、ではなくて、音の美しさを多様に表現しようとした2人の貴重なドキュメンタリー、だと思う。

 田中啓文フリー・ジャズ本がいいなあ、と思ったのは阿部薫に関する記述。世代が近いからだと思うのだけど、彼をスキャンダラスな側面から見ていくような話はもう良くて、彼の音の良さ、で十分じゃないか、ということ。浅川マキの追悼本でもそうだったのだけど、我々より一世代、二世代上の人達の思い出を語るツールではない、と思うのだ。彼らの音は。 

 阿部薫に惹かれるのは、ドルフィーの影響を隠そうとはせず、さらなる高みを目指したに違いない、その軌跡が美しいから、だ。その点、騒恵美子の本は、そのような彼の良さを直球で語っていて、いい本だった。

オーヴァーハング・パーティー OVERHANG-PARTY

オーヴァーハング・パーティー OVERHANG-PARTY

 

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