K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

鈴木勲, 原田依幸, Tristan Honsinger: 慟哭(2009) 脳天を衝かれる感覚

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鈴木勲, 原田依幸, Tristan Honsinger: 慟哭(2009, offnote)
1.吶喊 Call to Arms
2.慟哭 lament
3.寂寞 desolation
鈴木勲(b), 原田依幸(p), Tristan Honsinger (cello)

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 凄い密度だ。そして彼ら3人の味、が完全に出尽くしていて、その接点で強い相互作用、が生じている。走る、止まる、下がる、上がる、引く、そのような様々な場面を非同期でありながら、音を紡ぎ合う。

 原田のピアノは響きが綺麗だから好きだ。40年近く前にラジオで聴いて以来。

 鈴木勲は本性が自由であり、音にそれが濃く転写されている。フリー・ジャズだとか何とか関係なく、天衣無縫なのだ。

 ホイジンガーは飄として浮遊する感じの筈なのだけど、このアルバムでは濃厚な音を放ち、2人の間に割り込み、強い磁場を放っている。40年近く前、京都で聴いて以来、漂う音を教えてくれた奏者なのだ。

 それにしても濃い。脳天を衝かれる感覚。

 このアルバムも田中啓文・本の教え。大感謝なのである。

 

 

慟哭

慟哭