硬質なジャズ、まさに今の、じゃないか。
所謂フリージャズと「現代ジャズ」(定義がようわからん)とのグレーゾーンにあるように思われている、と思うが、古臭いコトバで云えば主流派的なド真ん中、と感じる。
モンクやドルフィーと同じような「アヴァンギャルドな味」を感じさせる演奏ではあるが、フリージャズという感じでもない。また「100年のジャズを聴く」で語られていた「アンサンブルの作曲行為」(コトバはうる覚え、このあたりの記述は膝を打つ感じ)のようなものもたっぷり。アヴァンギャルド風味のジャズ。
そう感じさせるのは、ソーリーのドラムの切れ。自身のリーダー作では現代音楽的な協会領域をじっくりと取り組んで居るが、ここではジャズの中心たるパルスを叩き続けて居る。
ニューヨークの奏者達の音、Ruweh recordsの奏者なんかも含め、モチアンや菊地雅章、コニッツやピーコックなどの奏者が作った音空間を、彼らが21世のジャズとして更なる変容を見せてくれるのではないか、そんな悦ばしい感覚とともに、何回も何回も聴いている。
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Angelika Niescier, Florian Weber: NYC Five (2014, Intakt)
1. The Barn Thing (Angelika Niescier) 8:24
2. And Over (Florian Weber) 10:18
3. Invaded (Florian Weber) 6:37
4. The Liquid Stone (Angelika Niescier) 7:28
5. Parsifal (Angelika Niescier) 6:18
6. Für Krefeld (Florian Weber) 8:06
Angelika Niescier(as), Florian Weber(p), Ralph Alessi(tp), Christopher Tordini(b), Tyshawn Sorey(ds)
Recorded by Michael Marciano
Mixed by Christian Heck
Mastered by Michael Fossenkemper
producer: Angelika Niescier
Recorded January 6, 2014
Mixed May 15, 19, 24, 2015 & Sep 26, 29 2015