K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

John Escreet: The Unknown (2016) ジャズとimprovised musicの間に在るもの

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 今朝、Bandcampからダウンロードしたアルバム。$9也。円安傾向なので、1000円超えるが。メンバーを見て、ほとんど衝動的にクリックしてしまった。John Escreet(p), Evan Parker(sax), John Hébert(b), Tyshawn Sorey(ds)だからねえ。今年の欧州でのライヴ。

 所謂Free Jazzからimprovised musicを聴くときの、ボクなりの基準は音が美しいこと。これは現代音楽でも同じ。旋律やリズムが美しさや躍動感を伝えない代わりに、楽器そのものの音響を愉しむような聴き方。これは、まさに個々の楽器の共鳴音を美しく包み込んだアルバム。決してフリーキーに破綻しない、美しく造られた音。

 間違いなく中心はエヴァン・パーカーであり、緩急自在の音を聴かせながら、ゆっくりとした音場のうねり、のようなものを造り出している。管の音が実に美しい。どの奏者も音場に対し、必要最小限の音を流していく。

 Nakana recordsやRuweh recordsでの音と共通する、2016年の音が此処にある。ジャズとimprovised musicの間に在るもの、単なる即興でもない、ある種のフレームワークの上に造り込まれた音楽。このアルバム、Nakana/Ruwehより案外ジャズに聴こえて面白かったのだけど、その核がパーカーだった、というのが実に楽しかった。 

Unknown

Unknown

 

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John Escreet: The Unknown (2016, Sunnyside records)
1. The Unknown (Part One) 45:09
2. The Unknown (Part Two) 29:38
3. Sample from The Album 04:03 (DL only)
John Escreet(p), Evan Parker(sax), John Hébert(b), Tyshawn Sorey(ds)