最近のニューヨークで録音されたimprovised music/free jazzのアルバムにIkue Moriという名前がcreditされているのに気がついたのはいつ頃だろうか。昨年のテイボーンとのアルバムは素晴らしく、音空間の歪み、のようなものを与え、その裂け目から星のカケラが飛び散るような、そんな錯覚を覚えた。
アート・リンゼイとのNew Wave(死語)のバンドD.N.A.をやっていた、なんかは当然知らない。だからラウンジ・リザーズからリンゼイまでを知るのがやっと、のジャズ・ファンだったから。昨日一緒だったJ君はD.N.A.からリンゼイ、ラウンジ・リザーズらしいから、ちょうどボクの裏返しで、面白いねえ、なんて話をしていたのだけど。
巻上公一とロッテ・アンカーは名前プラスアルファしか知らなかった。実は昨日驚いたのは巻上公一のヴォイス。圧倒された。テルミンも面白かったが、口琴(むっくり?)を併用した声の力、それを包摂し淡い律動を与えるIkue Moriのelectronicsが音の快感を最大化した、後半のセッションの半ば、いや良かった、本当に良かった。ロッテ・アンカーの音の冷たさ、空間的な音を発し続ける巻上公一とIkue Moriの間隙に、血流を与えるような、不思議な味だった。冷めた狂気と熱い正気が交叉するような瞬間が度々、そんな時間を過ごした。
演奏後、物販のときにモリさんと話をしたのだけど、金沢にまた来たい、とのこと。嬉しいなあ。前夜の平賀さんの歓待(イタル)が良かったのか、大いに期待したい。
もっきりやの後は、久々の「粉」。こないだ照葉のパーティーで会ったばかりのマスターの店だけど、久しぶり。前回ももっきりやの後だと思い出した。さらにHさんと合流しガルボへ。いや、楽しい夜だった。あかんね。