K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

沖至: Opera Night- Itaru Oki From Paris (1984) 密かな愛聴盤

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沖至: Opera Night- Itaru Oki From Paris (1984, Paddle Wheel)
A1. I Remember Clifford 5:12
A2. The Night Has A Thousand Eyes 3:50
A3. Sombre Dimanche 6:03
A4. In A Sentimental Mood 4:33
B1. Opera Night 7:32
B2. Days Of Wine And Roses 5:30
B3. Like Someone In Love 9:07
沖至(flh,tp), Alain Jean-Marie(p), Jean-Jacques Avenel(b), Oliver Johnson(ds)
Recorded at Sysmo Record, Paris, 6 December 1984.

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密かな愛聴盤。1986年発売なので、レコード終末期。実に柔らかい美しい音が収録されている。当時のキングレコードの日本のジャズの録音は好きだった。

発売された当時これを聴いて、その柔らかな音に驚くとともに、透き通るような管の音に魅了された。確か1979年か1980年にミッシェル・ピルツを伴って帰国したときのFM放送ライヴを聴いて、沖至を知ったのだけど、やはりピルツとの透明度が高い演奏に惹かれた記憶がある。

このアルバムでピアノを弾くアラン・ジーン・マリーは、フリー系じゃない、美音の奏者だったと思うが、そこがちょっとした組み合わせの妙になっていて、何か美音の芯のようなものになっている。他の奏者もその音を中心に丁寧に組み立てている感じで、落ち着いた演奏のなかにも、フリーっぽい素材がスパイスのように効いている場面もある。

ダミアの暗い日曜日の味わいは、やはり暗く、そして美味い。そこに仄かに遠い「おふらんす」の匂いを感じたのも35年も昔かと、驚いてしまった。