K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Howard Riley: Discussions (1967) 1969年の佐藤允彦同様

Howard Riley: Discussions (1967, Opportunity)
A1. Sweet And Lovely (Arnheim, Tobias, Lemare)
A2. Romance (Milhaud)
A3.. Nardis (Miles Davis)
A4. Sunflower (Howard Riley)
B1. Children At Play (Howard Riley)
B2. Spring Is Here (Rodgers, Hart)
B3. What's New (Haggert, Burke)
B4. Folk Theme No. 1
Howard Riley(p), Barry Guy(b), Jon Hiseman(ds)
Recorded in London, 29 December 1967

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最初に脳天に喰らった、1960年代の欧州ジャズだ。

以前、御徒町のIncusでロルフ・キューンのベルリンでのライヴ、1966年だったか、を聴いた時に、伝統的なジャズの姿態をとりながら、独自のアヴァンギャルドな空気を孕んでいるのを聴いて驚いた。格好いいのだ。あと喫茶茶会記で聴いたギュンター・ハンペルの1965年のアルバム(シュリッペン・バッハのピアノがいい)も。日本でのそのような音は、1969年の佐藤允彦のParadiumが嚆矢だから、少しだけ遅れてそのような流れになっている、のか。(高柳昌行の銀巴里が同時代であるが、萌芽という位置付けだろう)

同時期から活躍した英国のジャズ奏者というと、早々に米国に移ったホランド、マクラフリンだけでなく、サーマン、テイラー、ルイス、ウィンストンらが思いだされる。ベイリーをはじめとする即興系の分厚い奏者は勿論のこと。

不勉強なのでハワード・ライリーは知らなかった。このアルバムを聴くと、その怜悧な感じの音世界が好みそのもの。1960年代後半の欧州ジャズへの関心がおさまっていたのでちょっと拙いな、と思いながらも嬉しい出会い。これから少し聴いてみたいと思う。1969年の佐藤允彦同様、エヴァンスの影響下だね、なんて安易なコトバを寄せ付けない独自の音空間がそこにある。冷たいピアノの音響もさることながら、バリー・ガイの振幅が大きいベースも素晴らしい。

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