K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

ECMの録音、非ECMの録音(ピアノへの違和感)

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昨日、出勤前に聴いた一枚目のECM盤と二枚目のElectra盤。

ECMの録音がかなり「強く」音場の空気を伝えていることがわかる。息遣いが伝わる、というコトバそのもの。キースの呻き声もはっきり、またベースの軋みもリアルだ。そして残響も強い。ピアノの音の輪郭が微妙に崩れている。ホールでの残響、とは明らかに違う。滲んでいるようにも感じる。逆に背後のドラム音はオフ気味であるが、音の輪郭、打音の鋭さが美しい。全体としては聴くだけでECM。しかしピアノはやり過ぎ、じゃないか、と思う。1970年代の盤を聴き直そうかな。

 同時期の録音を足してみようと思った。エヴァンスのパリでのライヴ。フランスの放送局が収録したライヴ。こちらにはECMのような潤色はない。だからピアノの音像はくっきりで、残響の弊を感じないので実に気持ち良い。もっともドラムの打音はECMがいいし、総体としての音の存在感はECMなのだけど、主張がない、ただ美しいという主張もまた疲れない音の在り方、と思うな。

菊地雅章の遺作、ピアノソロののアルバムでの残響操作がピアノの音を損なった(youtubeで聴ける、ECM制作以前の音源との比較でハッキリ)ことが、この違和感の根っこ。そんな感覚を呼び起こす程、ECMに関心があって、やはり気になり続ける存在なのだけどね。